メガ損保の誕生に期待も契約者に痛みを強いる結果に
メガ損保時代に突入することで会社間の競争に期待したのですが、いまのところ目に見えた実績は「値上げ」のみです。
しかし現時点で十分な利益があるにも関わらず、「苦しいので値上げです」という言い分は数字のマジックを見せられているような歯がゆさがあります。
グループではなく会社で見れば増益の会社もあるのに…
メガ損保グループ各社の2010年4-12月決算の最終利益に注目してみます。パーセンテージは前年同期比増減率です。
●東京海上HD:最終利益 +26.3%(連結)
●MS&AD:最終利益 -33.2%(連結)
●三井住友海上:最終利益 -11.9%
●あいおいニッセイ同和:最終利益 -40.4%
●NKSJ:最終利益 -29.7%(連結)
●損保ジャパン:最終利益 +3.1%
●日本興亜:最終利益 -25.7%
こうして見ると、せめて東京海上HD、損保ジャパンぐらいは値下げを検討してくれてもいいように思えます。しかし東京海上HDは7月、損保ジャパンは4月に値上げが決定しています。「連結でマイナスだから」という大義名分を得て値上げが決められたのだとしたら、メガ損保の存在に異議を唱えたくなります。
自動車8社の国内生産↓7.3%減。自動車保険市場は寡占状態に?
少子化や車離れなどが重なり市場のさらなる成長は…? メガ損保各社はアジアを中心とした海外事業に活路を見出そうとしています。
その動きは今回の足並みをそろえた一斉値上げでも明白です。残念ながらオリジナル商品の開発や独自の保険料体系、特約などが出現する期待度は一気に薄れてしまいました。まるで自由化以前のような「どこの会社でも保険料は一緒」といった状態になる可能性もあります。もちろん、メガ損保各社の企業努力に期待したいところではありますが…。