スポーツカーの発想で作られた!?MPV
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はマツダMPV(現行)をご紹介したいと思います。他社が2Lクラスのいわゆる箱形ミニバン(トヨタヴォクシーや日産セレナなど)で荒稼ぎしていた頃に登場した3代目MPVは、あえて独自の主張を貫き、ボンネットをやや残しつつ、スライドドアを採用したスタイルで登場しました。しかしヴォクシーやセレナなどを追い抜けないどころか大きな差を開けられてしまい、結局約2年後の2008年7月にマツダは箱形のビアンテを投入することになります。「意のままに操ることのできるドライビングの楽しさ」はマツダ車に共通する考え方。MPVもミニバンらしからぬハンドリングを手に入れています。同時に止まることも重視し、特にターボモデルはRX-8と同経の17インディスクブレーキを採用
だからと言って、MPVがその程度の車なのかと言えば、もちろんそうではありません。あえて言えば、やはりトヨタ・日産・ホンダというブランドは強いということです。車としてはとてもいいですよ。独身でミニバンなんか必要のない私でも、グッと惹かれる車です。ましてや、それが100万円を切ってきたのですから、こりゃおいしい。
3列目シートへのアクセスを容易にするために最大開口幅785mmのほか、Cピラーと2列目シートの背もたれとの距離を大きく確保するなど工夫が凝らされています。同時に「走り」のためにスライドドアの構造に関しても手を加えています
あるいは、そこまで走りを求めるなら、より背の低いホンダオデッセイ(のちにスバルエクシーガも登場)にしたのかもしれません。さらには、エスティマより全長と全幅は若干大きいのですが、室内長・室内幅・室内高はいずれもエスティマのほうが上。つまりミニバンとしての広さを求めるならエスティマということなのです。
オデッセイほど乗用車ライクでもなく、エスティマより広くもなく。この微妙な立ち位置が販売台数に陰を落としていると捉えることもできます。しかし何でもかんでも「1番じゃなきゃダメですか?」。人はすべてを白か黒かで分けがちですが、その中間の色の豊かさは、白にも黒にもない魅力があったりするものです。
次ページで、果たしてマツダは「スポーツカーの発想でミニバンを変える」ことに成功したのかどうか、さらに見ていきましょう。