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ネクタイの表情を変える、本格的なタイスライダー登場

カフリンクスと並んで紳士の数少ない装身具がネクタイを留めるタイスライダーおよびタイクリップです。日本では昔からネクタイピンと呼ばれていますね。ビスポークテーラー ディトーズのタイスライダーはビンテージものを彷彿させる本格的なデザイン。素材もシルバー製なのでまさに一生ものです。初めて着けられる方にもおすすめです!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

オリジナルのタイスライダー完成!

タイピン

クラシックなデザインなのでコーディネートしやすいです。ディトーズオリジナルのタイスライダー3万1500円

Bespoke Tailor Dittos(ビスポーク テーラー ディトーズ) オリジナルのタイスライダーを紹介します。タイスライダーはネクタイ留めのことで、タイクリップやタイバーの別称もあります。日本ではなぜかタイピンと呼ぶことが多いですが、本来のタイピンとはスティック状のネクタイ留めに限っての呼び方です。

英国および米国のビンテージものに多いのが、滑らせて、挟み込んで装着するタイスライダーまたはタイクリップと呼ばれるものです。デザインモチーフはいろいろありますが、英国紳士のスポーツに因んだデザインは現在でもよく見かけます。

ちなみに私が持っている昔の米国SWANK社のスライド式のものもゴルフクラブのモチーフで、裏面にPAT.NO.714540  SWANK KLIPと控えめに刻印されています。CLIPではなくKLIPというのが謎ですが、この名称でパテントを取得していたようです。このことからも米国ではタイクリップという呼び方が一般的だったようです。

タイピン

裏面にはシリアルナンバーが刻印されています

さて、ディトーズが手掛けたタイスライダーのデザインは英雄ヘラクレスに因んだ“ヘラクレス・ノット”と呼ばれるものです、日本では本結びの名で知られています。大変歴史のある結び方で、古代エジプトや古代ギリシャの頃にはすでに使われていて、子孫繁栄などの意味もあり縁起のいい結び方だそうです。

今回のタイスライダーは、ディトーズの水落卓宏さんが愛用していた1930年代のものをほぼ復刻したもので、オリジナルを製作するにあたって素材をシルバー製に変更しています。実際に作っているのは腕のいいジュエリーの職人さんです。

また、当時のものは板バネが仕掛けられていて、それでネクタイを留める仕組みでしたが、このバネが壊れやすいという欠点もあり今回は省略。そのためホールド感を高めるためにタイスライダーの面を広めにしています。


次のページでは実際に装着したところをお見せします。

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