新車時の3分の1から見つかるベルトーネのクーペ
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はアルファGT(絶版)をご紹介したいと思います。当時アルファロメオ社の大ヒット商品だった156をベースとした、このクーペが最初にお目見えしたのは2003年のジュネーブモーターショー。同年末にはヨーロッパで販売が開始され、日本へは翌2004年6月にやってきました。ベースとなった156や、同じく156をベースとする147と共用するパーツもあるのですが、そうとは思えないほどうっとりするスタイリング。ベルトーネマジックでしょうか。「敏捷でありながらも路面にぴったりとはりつくような車」(プレスリリースより)が見事に具現化されていると思います
アルファロメオのクーペと言えば、アルファ1900に始まりジュリエッタ、ジュリア、アルフェッタと名車がいくつも存在します。またベルトーネ社が手がけたアルファロメオと言えば、1963年のジュリアスプリントGTがありますが、その当時のチーフデザイナーがジウジアーロだと言われています。そのジウジアーロは、アルファGTの後に登場したブレラを手がけました。まぁ何が言いたいのかというと、アルファロメオのクーペはいつの時代もどれもかっこいい、伊達である、ということです。
後席の居住性やトランク容量など、クーペとしては実用性が高いアルファGT。ただし、最小回転半径が2Lモデルで5.8m、3.2Lモデルで6.05mと小回りはあまり効きません。また尻上がりのデザインゆえ、後方視界もよくありません……が、これだけカッコいいのですから、そんな些細なことには目をつぶるべきではないでしょうか
ミニバンやプリウスなどのハイブリッド車、フィットに代表されるコンパクトカーや軽自動車が全盛の中、基本的にクーペは全面安傾向にあるかと思いきや、実は新車が売れないから中古車の台数があまりなく、そのため例えば日産スカイラインクーペ(旧型)はこの1年ほどずっと、最安値が100万円前後にとどまっています。日産フェアレディZ(旧型)もほぼ同じ。
さて、そうなってくるとこのイタリアの伊達クーペ、俄然おいしく思えてくるのです。見た目の格好良さだけではなく実用性も高いのに、国産クーペとほぼ同じ価格で買えてしまいます。特に車好きにはたまらない、ベルトーネの手がけた一台が、ですよ。
アルファGTの魅力を、次ページでさらに見ていきましょう。