8,200円のディナーコースより
☆アミューズパセリのブルーテ、相生牡蠣と丹波卵、蝦夷鹿とフルムダンベール
「パセリのブルーテ」と「相生牡蠣と丹波卵」
真ん中の卵(丹波産)のほうは、黄身の火入れ加減が絶妙で、卵の持ち味を活かしきった超レア仕上げ。ここに、燻製にした牡蠣と、グリュイエールチーズ、さらには炭酸ガスを注入したヨーグルトのムースを重ねてあり、口に入れた時の味わいの変化が面白く、食感・香り・見た目と三拍子揃った快作! 卵を使った料理でここまで感激できたのは久しぶりです。
蝦夷鹿とフルムダンベール
アミューズはコース料理の印象(ファーストインプレッション)を決定付ける大事なポジションですが、今回のアミューズは野菜・海の物・山の物という三部構成で、全体的に滑らかで優しい食感と、それぞれの香りが楽しめる、極めて完成度の高い意欲的なスターターでしたね。エクセラン!
☆前菜1
香住産カニと蕪の一皿、ゲランドの塩とベーコンのグラス添え
特筆すべきは、その計算された味わいの妙。4種類の蕪はそれぞれの食感と甘味(旨味)を活かすために、火入れ加減を変えてあるだけではなく、それらの蕪を使ってカニの旨味をちゃんと閉じ込めてあるんです。ソースも蕪の繊細な味わいと食感を邪魔しないように、同じく上品で軽やかなものにしてありますし、ベーコンの動物性脂肪も不思議なほど蕪の味わいを引き立てています。
☆前菜2
閉じ込められたフォアグラとベットラブ、ショコラとバジルの香り
次ページでは、野菜料理やメイン料理等、コース料理後半を御紹介します