財務管理で身につけておきたい手形と小切手とは?

初めて会社の財務管理に関わる場合、手形、小切手、ファクタリングなどについての基礎知識は確実に身につけておく必要があります。これらの扱いを間違えると会社の資金繰りそのものに影響を与える可能性もあるため、慎重な管理が求められるのです。中小企業の金庫番経験があり、現在は税理士であるガイドが、財務管理で最低限身につけるべき手形や小切手の基礎知識についてやさしく解説します。

小切手とは

手形、小切手の基礎知識を身につけよう

手形、小切手の基礎知識を身につけよう

小切手とは発行した人(振出人)が受取人など正当な所持者にお金の支払いをすることを委託する証券です。多額の現金そのものを持ち歩くと防犯的に危険を伴うため、多額の資金決済を伴う取引などで小切手が活躍します。

小切手を発行するには

初めて小切手を発行(振り出す)ためには、まず取引金融機関に当座預金口座の開設が必要。以下の手順となります。

1.取引金融機関の審査
当座預金口座はどんな会社でも簡単に開設できるわけではなく、取引金融機関からの信用などを元にした審査があります。常日頃から取引金融機関との取引を通じて信用構築しておくことが必要ですね。

2.当座勘定取引契約を結ぶ
取引金融機関の審査に通ると、金融期間と当座勘定取引契約を結びます。その後、金融機関での手続きを経ると当座預金口座が開設されます。

3.小切手帳の発行を依頼する
取引金融機関に小切手帳(50枚ほどの小切手が一冊に束ねてあるもの)の発行を依頼します(有料)。発行には数日かかります。手元に小切手帳を入手したら、これで小切手を発行できる状態になります。

小切手の記載事項

小切手を発行する際は、必要事項を記入、押印して発行します。あらかじめ印刷してある事項以外に記載が必要なのは以下の事項です。

1.金額
金額は漢数字で記入するかチェックライターを購入して印字します。手書きの場合、金額は漢数字、先頭に「金」、末尾に「円也」と記載。チェックライターの場合、先頭に「¥」、末尾に「※」を記載。

2.振出日
振り出した日を記載します。

3.振出人&押印
振出人を記載します。ゴム印が便利でしょう。

例) 株式会社○○ 代表取締役 ○山 太郎

印鑑は銀行届出印です。

4.耳への記載
小切手を小切手帳からミシン目のところで切り離した際に、小切手帳側に残る控え部分を耳といいます。備忘録のために必要事項を忘れずに記載しておきましょう。記載項目は振出日、金額、渡し先、摘要です。

5.訂正
金額の訂正はできません(金額を訂正した場合、無効です)。

小切手を振り出す際の注意点

小切手を振り出す際には、以下の点に注意しましょう。

1.残高確認
実際に小切手を振り出す時点で小切手の金額を充分に超える残高がその当座預金口座にあることも必ず確認しましょう。

2.押印
押印するのは、銀行取引印です。ブレたり、欠けたりしないように鮮明に押印するようにしてください。また、耳と小切手本体との間の箇所に割印をすることが慣習となっています。割印もしておきましょう。

小切手を受け取ったら

小切手を受け取ったら以下の手順で現金化しましょう。

1.記載事項のチェック
受け取った小切手はその場で必要事項が記載されているか確認しましょう。

2.保管
受け取った小切手を紛失してしまったら大変です。社内や取引先に対しての信用にも関わります。必ず金庫に入れて厳重に保管するようにしてください。

3.金融機関への呈示
小切手を受け取ったら、振出日の翌日から10日以内に支払人である金融機関に呈示する必要があります。ただし、通常は自社で支払金融機関に呈示することはせず、自社の取引金融機関に取立(小切手の現金化)を依頼します。通帳、入金票とともに自社の取引金融機関に小切手を持ち込みましょう。なお、小切手の取立委任をする際には、取引金融機関に1枚あたり数百円の取立手数料を支払うことになります。

小切手を受け取った際の注意点

小切手を受け取った際には、以下の点に注意しましょう。

1.早めにに取立に出す
取引金融機関に取立を委任した後、現金化されて口座に入金されるまでには2~3日かかります。資金繰りへの影響がないように早めに取立を委任するようにしましょう。紛失防止にもつながります。

2.線引き
小切手は便利な一方、紛失、盗難など通常ではない手段により誰かが入手してしまったとしても、その者が金融機関に持ち込んだら換金されてしまいます。それを防止するために「線引き」という制度があります。

具体的には、小切手の表面の右上の角に2本の平行線を引いておくのです。これにより、窓口に持ち込まれた小切手はその場で換金されず、一度預かってから換金することになります。盗難防止のためにも、受け取った小切手には必ず線引きするようにしましょう。