手形と小切手の違いとは

手形と小切手は現金のように扱えるものです。しかし、手続きやルールなど共通点は多くあるものの、大きな違いもあります。一番の違いは、支払期日の違いです。手形の場合は振出人と受取人との間の合意で決められていますが、小切手は振り出しされてから、原則10日間以内に金融機関に呈示します。ここでは、手形と小切手のそれぞれが発行され、現金化されるまでの手続きを踏まえながら詳しく解説していきます。

【目次】  

手形とは

手形とチェックライター

手形とチェックライター


手形も小切手同様、発行した人、振出人が受取人など正当な所持者にお金の支払いをすることを委託する証券です。小切手と違い、後日の決済を前提としているのが特徴。手形には約束手形と為替手形がありますが、ここでは約束手形を受け取った場合の対処法について説明します。
 

手形の集金方法

取引先、販売先の支払条件により、一部または全部が手形払いに該当した場合、取引先に手形の集金に行く必要があります。集金は事前に場所や日時、持参するものなどについての案内があるはずです。事前に確認して準備しましょう。通常、取引先に発行するための領収書用紙、領収書に貼付する印紙などが必要になります。

なお、郵送という手段をとることができる場合もあります。その場合は安全確実な方法で受け取ることができるか十分に注意してください。
 

手形の保管

受け取った手形については、以下の手順で保管します。

1.記載事項のチェック
受け取った手形は必要事項が記載されているか確認しましょう。

2.手形受払帳への記載
必ず手形受払帳を用意し、必要事項を記入するようにします。手形の保管状況の管理や取立依頼の確実な実行のために役立ちます。

3.金庫に保管
手形を紛失してしまったら社内はもちろん、取引先や金融機関にまで迷惑をかけることになります。必ず金庫に入れて厳重に保管するようにしてください。 
 

手形の取立依頼

手形に記載された支払期日になれば、ようやく現金化されて資金を受け取ることができます。支払期日は、振出日から90日後から180日後の場合が多いです。通常は自社の取引金融機関に取立、つまり受取手形の現金化を依頼します。取立を依頼された金融機関では、手形交換所を通じて振出人の当座預金口座から現金を回収。金融機関に取立を依頼する際には、手形の他に手形取立帳、手形取立依頼書などの専用用紙が必要です。あらかじめ取引金融機関にそれらの用紙を発行してもらうように依頼しておきましょう。なお、手形の取立委任の際に、取引金融機関に1枚あたり数百円の手形取立手数料を支払います。

手形を取立に出す際には、手形裏面の裏書き欄に必要事項を記載します。
  • 会社住所
  • 会社名
  • 代表者名
  • 目的(「取立委任のため」と記載)
  • 銀行届出印を押印
なお、取引金融機関に取立を依頼するタイミングは、早すぎたらダメということでもなく支払期日前であれば、いつでも構いません。ただ、遅くても支払期日の2~3日前には取立依頼をしてください。金融機関にも迷惑を掛けずに済みます。
 

手形割引とは 

手形が現金化されて入金されるには振出日から90日後、120日後、180日後など、手形に記載された支払期日まで待つ必要があります。ただ、これだけの長い期間現金化されないということは資金繰りを圧迫することが多いのも事実。そこで手形割引という制度があります。

手形割引とは、支払期日前の手形を金融機関などに裏書譲渡することにより、支払期日までの利息相当額を差し引いた額で売却すること。金融機関に手形割引を依頼することにより、支払期日まで待たずとも現金化することが可能となるのです。ただし、手形割引を行う際には以下の注意点があります。

1.手形取引約定書の締結が必要
手形割引を行うには事前に取引金融機関との間で手形取引約定書を締結しておくことが必要です。担保が必要な場合もあります。

2.審査がある
手形割引は全てに対して認められるわけではなく、その都度審査があります。通常の融資のように割引設定枠や個別の審査があることにご注意ください。

3.時間が掛かる
上記のように手形割引を行うまでには、手形取引約定書の締結や個別の審査を経る必要があります。手形割引を行う可能性がある場合には、早めに準備を進めておくことをオススメします。
 

手形払いとファクタリング払いの違い

ファクタリングとは、企業の売掛債権である売掛金などをファクタリング会社に手数料を払って売却し、ファクタリング会社が債権回収業務を行う取引のこと。

企業にとっては債権の早期売却により早期の資金化が可能となりキャッシュフローが改善できます。また、取引先にとっても割引が可能になるなど、従来の約束手形を受け取ったときと同様の機能を享受できます。また、ファクタリングには手形の発行をしない点で事務効率化にもなる、収入印紙の貼付が不要になるなど多くのメリットがあるため、手形の発行を廃止してファクタリングを採用する企業が増加しています。

取引先が手形の発行に代わりファクタリング払いを導入している場合はファクタリング払いを選択するメリットが大きい場合が多いです。ぜひ検討してみてください。
 

支払条件による手形払いやファクタリング払いへの変更に注意

財務管理においては、新規の取引先との取引を始めるにあたり、支払条件をよく確認しておくことが重要です。特に、締日における支払金額が一定金額を超えると、手形払いやファクタリング払いになるということが多々あります。そのことを知らずに支払日に現金払いで振り込まれると認識して資金繰りを予定したら大変です。資金ショートの可能性すらあります。十分な注意を払うようにしてください。

次は小切手の手続きについて解説いたします。