経営をしていれば、売掛金が回収できなくて困ったというケースが起こりえます。ただ、怖いのは売掛金が焦げ付いたことが原因で資金繰りが悪化すること。そういう事態を招かないためにも、日頃から売掛金を確実に回収できる仕組み作りを進め、あらかじめ回収不能から会社を防御することが重要なのです。税理士、行政書士であるガイドが、資金繰りに影響を与えない売掛金回収のコツについてやさしく解説していきます。

未入金額を常にチェック

まずは売掛金をしっかりと把握しましょう

まずは売掛金をしっかりと把握しましょう

売掛金を確実に回収できる体制作りの出発点は、売掛金の発生と回収の情報を正しく把握することです。間違った情報を元に、既に入金済みの得意先に対して督促をするようなことがあれば、先方に迷惑を掛けるどころか信用を失うことにもなりかねません。まずは、間違いのない情報の把握をしましょう。

そして、毎月の請求書発行の際や試算表の作成の際に、得意先ごとに売掛金の発生と回収がしっかりとできているか必ずチェックしましょう。請求書の書式も「今回御買上額」欄のほかに、「繰越金額」欄のある書式を選び、現時点での未入金額を毎回あきらかにしておくことも工夫のひとつです。

時間が経つほど回収率が低下する売掛金

支払期限になっても入金してくれない得意先があった場合、その理由はおそらく次のいずれかのはずです。
 

  1. 単に支払を忘れただけ
  2. 手元にお金が不足していて当社への支払は後回しにしている
  3. 商品・サービスに不満があるからなどの理由で故意に支払わない
  4. 手元にお金が全くなくて、どこに対しても支払えない


売掛金は、時間が経てば経つほど回収率が下がっていく傾向にあります。まずはこのことを強く認識しましょう。

売掛金の回収率を上げるためには、支払が遅れた初期段階での行動が重要です。4以外は、初期段階での確実な督促や話し合いによって、回収できる可能性が大きいのです。甘い対応でなぁなぁにして放っておくのが最悪のパターン。「あそこにはまだ払わなくても大丈夫だ」と思われてしまったら、常に支払いを後回しにされるようになってしまいます。

そうならないためにも、支払期限を過ぎても入金がない場合、素早くアクションを起こすと決め、必ず実行する仕組みにしましょう。例えば、支払期限の翌日15時までに入金がない得意先には、電話を入れることをルール化するなどです。

督促は法的手段の前に話し合いで解決を

督促をしても払ってもらえない場合、法的手段に出る前にまずは話し合いの機会を模索しましょう。いきなり法的手段に出てしまうと、威圧感を感じて対決姿勢を作り出してしまう可能性もあります。その前に、まずはどうして支払うことができないのかを聞き出すことが肝要です。そして相手先にきちんと支払う意思がある場合、どのような方法なら支払ができるのかをよく話し合い、信頼関係のもとにまずは約束をしましょう。

売掛金の消滅時効は2年

売掛金(商人間での債権)の消滅時効は2年です。支払期限から2年間経過後、相手先が時効の援用(法的に時効を有効にするための意思表示)をすると、法律上の消滅時効で売掛金は消えてしまいます。直接話し合いができない場合や、直接話し合いを行って約束をしたにもかかわらず支払いが滞っている場合、2年を経過して時効になる前に法的に対策が必要なことを意識してください。