誠意のない滞りは内容証明で督促

内容証明をうまく使い、効率的に回収を

内容証明をうまく使い、効率的に回収を

直接的に話し合いの場を持つことができず、そのまま時が経過してしまった場合や話し合いをして支払を約束したにもかかわらず誠意が感じられずに支払いが滞っている場合、次の手として内容証明郵便があります。

内容証明郵便とは、何月何日に誰から誰あてにどんな内容の文書が差し出されたかを郵便局が証明してくれるサービスです。

内容証明郵便を使うメリット

売掛金の回収に内容証明郵便を使うことにより、以下のようなメリットがあります。

■水掛け論を防止する
相手先との間で請求書を受け取っていない、請求を受けていないなどの水掛け論になることを防止できます

■法的証拠能力がある
内容証明郵便を使えば、その内容についての法的証拠能力があります。

■時効期間を延ばすことができる
売掛金の請求についての内容証明郵便を相手先に送ることで、6ヶ月間時効期間を延ばすこと(仮の時効中断)ができます。

■心理的なプレッシャーを与えられる
こちらが本気で売掛金を回収したいということを相手先にわからせることができます。また、相手先が内容証明に慣れていない場合は、内容証明が届いたことによる心理的なプレッシャーにより回収が容易になるケースもあります。

内容証明郵便の書き方

内容証明に使う定型の用紙はありません。一般的な用紙に決められた字数制限を守って作成します。1枚の用紙に記載できるのは、1行に20字(記号は、1個を1文字とします)以内、1枚に26行以内。横書きにする場合は、1行26字以内、1枚20行以内か1行13字以内、1枚40行以内かで作成することが可能です。ワープロなどで字数の設定をして作成するのが一般的です。
※参考:郵便事業会社ホームページ 内容証明

売掛金督促の内容証明 記入例

売掛金督促の内容証明 記入例



■タイトル
通知書とするのが一般的です。

■基本的な事項
相手先が何を請求されているのか明確にわかるように、基本的な事項を特定して記載します。契約日、提供した商品・サービス名、代金額、支払期日を記載しましょう。

■法的手段について
事実までに支払いがない場合の法的手段の記載については、「もし、上記期間内にお支払いなき場合には、訴訟、強制執行その他の法的手段をとらざるを得なくなりますのでご了承ください」のように書くのが一般的です。ただし、状況によっては法的手段について記載せず、もう少しソフトな表現にするなどの調整も必要でしょう。

■印鑑
文書自体に印鑑は必ずしも必要ではありません。ただし、見た目の体裁もあるため押印するのが一般的です。

内容証明郵便の手順

内容証明郵便で売掛金の督促をする場合、以下の手順で進めます。

1.文書作成
前述のように決められたルールにしたがった文書を3通作成。差出人保管用、郵便局保管用、相手先送付用の3通です。1通あたりの枚数は自由です。

2.郵便局の窓口に提出
文書と認印、差出人、宛名人を記載した封筒を持参して、郵便局の窓口で手続き。

3.一般書留+配達証明郵便で郵送
一般書留+配達証明郵便で郵送。配達証明付きにする理由は、内容証明はあくまで文章の内容を証明するものであり、相手先にそれが届いたかどうかまでは証明することができないためです。

内容証明郵便の料金

内容証明郵便などの料金は以下の通りです(平成23年4月現在)。

内容証明料金 420円(2枚目以降は250円増し)
通常郵便料金 定形郵便25グラムまで80円、50グラムまで90円
書留料金 420円
配達証明 300円(任意ですが、必ず付けましょう)

内容証明郵便での注意点

話し合いなどを経ずに、いきなり内容証明を送りつける、過激な文言の文書を送るなどすれば、穏便に解決しようとしている相手先を怒らせることもありえます。こじらせて関係を悪化させることを防ぐためにも、内容証明郵便の前に、まずは通常の郵便などでソフトな内容での支払いの催促をしてみることをオススメします。相手先に誠意がないと感じた場合や時効を防ぐために法的な措置が必要な場合などの段階で内容証明郵便での送付を検討するのが通常の流れです。

内容証明は公的に残り、有力な法的証拠にもなるものです。間違いのない情報を記載するようにしてください。そして、余分なことは書かず、簡潔に必要な項目のみ伝えることが大切です。怒りに身を任せて書いて送るようなことがあれば、場合によっては恐喝罪などに問われることも考えられます。十分に注意してください。
 

それでも回収できない場合は 

前述したように、内容証明による売掛金の督促により6ヶ月間時効期間を延ばすことができます。ただし、これはあくまで1回だけの仮の時効中断。6ヶ月の間に訴訟などの裁判上の請求や債務者の債務の承認などの法的手続きをする必要があります。ここまで来てしまったら早めに弁護士に相談して法的措置を検討することをオススメします。

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