俺キモイ(笑)
自分の顔が次々に襲ってくるって、ちょっと恐ろしい光景ですよ。
顔シューティングはその名の通り、顔のシューティングゲーム。自分の顔をカメラで撮影すると、その顔がなんとケタケタと口をあけて笑いながら次から次に襲ってくるんです。そうかと思えば、クチビルマークをつけてキスをしようと襲ってくる奴も出てくるじゃないですか。次から次に現れる自分の顔集団。うわっ、「俺キモイ(笑)」と、こうなります。こんなゲームを遊んだら、どうしたってニヤッとしちゃいます。
さらに、ゲームの背景はその時3DSのカメラに映っている現実空間になっていて、そこに人の顔が映っていると……その人の顔が敵キャラクターに変形して襲いかかってきます。会場では吉本興業の芸人さんの顔写真が張ってあって、そこからグリグリグリッと顔が飛び出してきます。うわっ、すいません、正直ちょっとキモイです!
人の顔がたくさん襲ってくるって怖いんですね。取り込んだ顔は3DSに保存してコレクションできるそうです。ARゲームズもそうでしたが、ゲームそのものは極めてシンプルなのに、カメラを使って現実の世界をゲームに取り込むことで、インパクトはすごいものがあります。
ゲーム業界はカメラブーム?
Kinect専用タイトルのダンスエボリューションも、カメラをうまく使ったゲームの1つ。テレビの前で踊る自分の姿がリアルタイムにゲーム内に合成されます。
というのも、実はゲーム業界はカメラブームであると言える、そんな状況になっています。ここちょっと正確にお話したいんですが、カメラブームなのは、ゲームユーザーではなくて、ゲーム業界です。もっと詳しく言うと、単純にハードメーカーである任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)、マイクロソフト(以下MS)の3社が全てカメラを使ったゲームに取り組んでいます。
任天堂については3DSでの取り組みをご紹介しましたが、SCEとMSは何にカメラを使っているんでしょうか? SCEはPlayStation3(以下PS3)のPlayStationMoveモーションコントローラー(以下PSムーブ)、そしてMSはXbox 360のKinect、この2つのシステムに、カメラが使われています。どちらもWiiに近いものとして取り上げられることが多いのですが、カメラを使ったゲームの可能性、という意味で、実は3DSの方に近いポテンシャルを持っています。
例えば、PS3ではかなり前にARをゲームに取り入れています。「THE EYE OF JUDGMENT BIOLITH REBELLION 機神の叛乱」というタイトルがありまして、2007年の発売です。カードゲームで、カードをカメラに見せるとそこからモンスターが出てくる、というものです。その時のカメラデバイスをPSeyeといいまして、これは今、PSムーブを認識するのに使われています。また、その場で撮影した写真をゲームの中に取り込んで使うというアイデアは、PSムーブやKinectのタイトルでも使われています。
ゲーム業界はかなり前からカメラを使った遊びには取り組んでいて、そして今続々と商品化されていると、そういう状況なわけです。そして3DSは、このムーブメントを、ゲーム業界の中のものから、ゲームユーザーのものへと変えていく可能性を持っています。