医療保険/医療保険の選び方

医療保険に保険料払込免除特約は必要?

医療保険や生命保険には「保険料払込免除特約」を付けられる商品があります。特定疾病など所定の条件に当てはまると、それ以後の保険料の払い込みが免除される特約ですが、その分、支払う保険料は高くなります。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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保険料払込免除特約は付けたほうがいいのか

医療保険の保険料払込免除特約とは?

医療保険の保険料払込免除特約とは?

医療保険は2001年7月の自由化以降、さまざまな商品が発売されています。先進医療特約が付帯されているものや手術給付金の範囲が拡大されているものなど様々です。そんな中、「保険料払込免除特約」という特約を目にすることもあるでしょう。

この特約はその名の通り、契約をしている保険の保険料(掛け金)の支払いが、所定の事由に該当した場合に免除されます。病気になっても保険料の支払いをそれ以後することなく、保険契約を続けたまま保障を得られます。

実際のところ、この保険料払込免除特約をつけると得なのか、損なのか。医療保険における保険料払込免除特約の考え方について解説します。

保険料払込免除特約とは

最初に、医療保険の保険料払込免除特約とはどういうものかを詳しく確認しておきましょう。

保険会社によって色々ですが、例えば特定疾病(悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中)になった場合、それ以後の保険料支払いが免除(支払わなくていい)されるというものです。またこの特約は、医療保険だけに限らず付帯されこともあり、特定の障害状態や特定の介護状態になった場合も同様にも適用できることがあります。

例えば悪性新生物(ガン)になった場合、治療費の負担しながら、加入している保険の保険料も支払い続けなければなりません。その時の経済状態によっては保険料の支払いも大きな負担となるでしょう。

保険料払込免除特約を付帯していると、以後の保険料の支払いをしなくて済むわけで、医療費の負担が大変な方には助かります。反面、無料の特約ではありませんから、保険料払込免除特約をつけることで保険料そのものは高くなります。

保険料払込免除特約の必要性はどう考える?

保険料払込免除特約の特約保険料は、保険契約を10年など一定期間で更新する(定期)タイプの場合、40~50歳代になってくると、保険料払込免除特約の負担も少しずつ大きくなってきます。

若い時ほど安いのは事実ですが、終身払いであれば契約が続く限り、特約保険料はずっと支払っていきます。契約がずっと続くことも考慮して長期的な視点で考えてみましょう。また、当然のことながら保険ですから、保険約款で定められている状態にならないと保険料の免除はされません。

特約保険料を払ってでも、万が一のときに保険料支払いが免除されることにメリットと安心を感じるなら、一考の余地はあります。

(特定疾病診断)保険料払込免除特約の例

医療保険に保険料払込免除特約とは必要?

医療保険に保険料払込免除特約は必要?

特約のあり・なしでどれくらい保険料が変わるか、具体的な例を挙げてみましょう。生命保険会社A社の例です。

【契約条件】
計算日:2015年8月31日現在
保険期間:終身
保険料の払込期間:終身
保険料の払込方法:月払い
入院日額:1万円(60日型)
その他の特約:先進医療特約

【保険料】
30歳男性:特約あり3407円/特約なし2937円
40歳男性:特約あり4799円/特約なし4027円
50歳男性:特約あり7132円/特約なし5827円

30歳女性:特約あり3487円/特約なし2967円
40歳女性:特約あり4159円/特約なし3437円
50歳女性:特約あり5452円/特約なし4507円

男女で異なりますが30歳で約500円、40歳で約750円、50歳で1000~1300円程度です。年間では6000円~1万5000円ほどになります。

もちろん保険会社によって特約保険料も違いますから一概には言えませんが、この例では、月払いで考えると決して手の届かない額ではないでしょう。あとは、保険料の差額が家計で許容できる範囲かどうかです。

保険料払込免除特約を付けるか付けないか、判断基準は3つ

保険料払込免除特約を付帯するのは得なのでしょうか。保険料払込免除特約の該当事由に当てはまれば、付けて良かったと思うでしょうし、何もなければ損した気分になるでしょう。

これは、保険料払込免除特約に限った話ではなく、保険全般について言えることです。少なくても加入時に確認しておくべきことは以下の3つです。

1. どういう場合に保険料の払い込みが免除されるか
2. 保険料払込免除特約を付けると、保険料の負担はどれだけ増えるか
3. 特約保険料が将来変わることはないか

特に1は重要です。特定疾病(三大疾病)の場合、「悪性新生物以外は60日以上の労働制限」など、要件が細かく決められています。十分に確認した上で判断する必要があります。

ここまで内容を確認・理解していれば、あとは保障と保険料のバランスの問題なので、自分である程度の判断はできるはずです。保険についての特約ですから良い悪いではありません。それでも迷うようなら第三者の意見も参考にしてみましょう。
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