目標達成力でライバルに差をつける OA機器の営業職
目標達成力はMRへの転職でも重要な評価要素
TさんはOA機器の営業に携わって5年。100件近い既存顧客を抱えながら、新規開拓目標の達成も求められる厳しい環境のなかで、営業所でも上位の売上目標達成率を安定して維持してきました。そして27歳でMRへの転職を果たしました。
Tさんが面接で伝えたのは、効率よく既存顧客から売上を確保して新規開拓のための時間を生み出すことで、既存顧客の確保と新規開拓とを両立してきたという点でした。
一般に既存顧客への営業活動は、いわゆる御用聞き的な営業になりがち。その結果、目的意識の弱い顧客訪問に終始してしまい営業効率が悪くなる傾向があります。そこでTさんは、既存顧客を訪問した際には必ず「宿題を見つける」ことで次回の訪問目的を明確にすることを習慣にしました。
そうすることで既存顧客のニーズの掘り起こしができやすくなり、御用聞き型の営業から提案型の営業スタイルへと変えることができて営業効率がアップしました。同時に新規開拓に十分な時間を使うことができるようになり、既存顧客から新規訪問先を紹介してもらえるケースも増えてきたそうです。
ドクターは忙しい仕事。場合によっては1時間待っても会えないこともあります。営業効率を高めることはMRにとってもたいへん重要です。どんな工夫をして営業効率を高めながら数値目標を達成してきたかという点をしっかり伝えられれば、面接での評価が高まること間違いありません。
業務内容を簡潔にPR 生産財の営業職
Mさんは半導体や電子部品を扱う商社に勤務する27歳の男性でした。顧客は産業用機械メーカーで、営業活動は製品開発段階から量産化まで幅広いフェーズにおよんでいます。既存顧客に対してはタイムリーな情報提供や開発現場のニーズを的確に把握した提案で信頼を得ており、安定的に高い実績を維持していました。また幅広い情報源からニーズを想定する提案型の営業によって、新規開拓でも社内で上位の実績を上げていました。信頼関係構築力もあり、ニーズを把握して的確な提案をする力もあるMさん。しかし、1社目の選考では1次面接すら通過することができませんでした。
Mさんの実力が評価されなかった最大の要因は、Mさんの仕事自体にありました。住宅の営業やOA機器の営業などは、詳しい説明を聞かなくても面接官が具体的な営業活動を容易にイメージできます。しかし産業用機械メーカーに対する部品の営業というのは、多くの面接を担当してきた面接官にとってもなかなか具体的な営業活動がイメージできなかったようです。
そのため、面接ではこれまでの営業活動を理解してもらうという最初の部分で多くの時間が費やされてしまいました。しかもその点が十分理解されなかったため、Mさんの営業活動における工夫も成果を生み出せた要因も正しく理解されず、本来の実力を評価してもらえなかったのです。
そこでMさんは2社目に応募する際には、事前にこれまでの営業活動を簡潔にわかりやすく説明できるように準備を進めました。顧客は部品商社に何を求めていて何が受注の成否を左右するのか、そして自分はどうやって競合他社との差別化を図ってきたかという点を3分程度で話せるようにまとめました。
こうして、Mさんは2社目ではこれまでの顧客との信頼関係構築力やニーズの把握力などを十分伝えることができ、みごとMRへの転職を果たしました。同じ営業職でも業界が異なれば営業スタイルや取引慣行なども様々です。当たり前と思っていたことも、異業種の面接官にはわかりにくいこともあるかもしれません。自分の強みや特長をアピールする準備だけでなく、これまでの業界での営業活動をわかりやすく整理しておくことも重要なのです。