輸入車/注目の輸入車試乗レポート

2010年、心に残る輸入車12台(2ページ目)

ラグジュアリィブランド攻勢の1年だった2010年。心に残るいろんなクルマを、各メディアに筆者が寄稿したクルマで振り返ってみると……。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

今年の1台にふさわしい5シリーズ&ポロ

5月にはRCZの国際試乗会の模様をいくつかリポートした。このクルマのデザインは、スーパーカー級だ。特にルーフからリアウインドウに繋がるダブルバブルが素晴らしい。乗ってみても、ネコ足の極まった、非常に粘り気のある走りを見せてくれた。
プジョーRCZ

2007年のフランクフルトショーに出品されたコンセプトカー、308RCZの市販版となる2+2スポーツクーペ、プジョーRCZ。BMWと共同開発した1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンは、6ATには最高出力156ps仕様を、6MTには最高出力200ps仕様と差別化が図られている。国内には右ハンドルの6AT仕様(399万円)と左ハンドルの 6MT仕様(423万円)をラインナップした。サイズは全長4290×全幅1845×全高1360mm

「最高に気持ちよかったのは、やはりシャシーである。どちらかといえば柔らかめのセッティングで、よく動くし踏ん張りもかなり効く。とにかく、コーナリングの最中が恐ろしく気持ちいい。荷重移動をきちんと行えば、柔らかめでも当意即妙のハンドリングが可能。その機械的な基本性能の高さが正にプジョーのネコ脚というべきだろう。」
(ザッカー誌より)

6月ごろになると、怒濤の輸入車ラッシュのまっただ中で、ざっと原稿のタイトルを見ただけでも、シトロエンC3&DS3、BMW X1、BMW5シリーズ、サーブ9-5(海外)、ジャガーXJシリーズ、プジョー3008、M・ベンツML350ブルーテックに、Eクラスカブリオレ、さらにはVWポロ1.2、そしてアルファロメオジュリエッタ(海外)と、豪華絢爛である。珠玉揃ったラインナップだが、この中から特に、今年の1台にふさわしい5シリーズとポロを挙げておく。
BMW5シリーズ

7年ぶりにモデルチェンジを果たしたアッパーミディアムサルーン、BMW5シリーズ。サイズは全長4910×全幅1860× 全高1475mm。日本には3リッター直6エンジンを積む528i(715万円)と直6ターボの535i(835万円)、4.4リッターV8ツインターボの550i(1040万円)をラインナップする

「BMWファンに受けそうなのは528である。重量を考えると、もう少し力が欲しい気もする(し、8速じゃ小刻み過ぎてという感覚もある)が、自然吸気ゆえエンジンをしっかり回して必要十分なパワー&トルクを得て、ハンドルと右足で積極的にクルマを操る楽しさを存分に味わえるからだ。もちろん、よくできたシャシーあってのモノ種である。アシの動きも、精密な機械仕立てであることがよく伝わって来て気持ちがいい。」
(Car@niftyより)
VWポロ

5世代目となるVWのコンパクトハッチバック、ポロに追加設定された、最高出力105ps/最大トルク175Nmを発生する新型1.2リッターSOHC直噴シングルチャージャーエンジン搭載モデル。乾式デュアルクラッチの7速DSGと組み合わせられ、従来の1.4リッターよりパワーとトルクを20ps/43Nmアップさせつつ、10・15モード燃費は約12%向上し20km/lを達成した 。TSIコンフォートライン(213万円)とTSIハイライン(242万円)をラインナップ

「安普請なフィールはほとんど感じられない。ゴルフではややアンダーパワー気味だったが、それもない。ポロにはこれ(1.2TSIエンジン)がベストマッチ、というか上の領域では十二分にスポーティである。(中略)強力なトルクをシャシーはまだまだ余裕で受け止めて、しなやかにクルマを走らせた。それでもまだゴルフと同じレベルとは言わないが、現状でBセグメント随一であることは間違いない。」
(Car@niftyより)

7月はイタリアン月間だった。6月にバロッコで試乗した、アルファロメオジュリエッタとミトTCT、そしてアバルトプントエボとアバルト500Cの記事で大方埋まっている。とにかく、イタリア勢の進化に目を丸くしたもの。ジュリエッタ以外は既に日本上陸済み。ジュリエッタも11年春過ぎにはやってくるはず。期待したい。その次に本数をこなしたのが、日本人たった1人で参加したベントレーコンチネンタルスーパースポーツコンバーチブルの国際試乗記事だった。
ベントレーコンチネンタルスーパースポーツコンバーチブル

2009年に登場したクーペのスーパースポーツのオープン版、ベントレーコンチネンタルスーパースポーツコンバーチブル。最高出力630ps/最大トルク800Nmを発生する6リッターW12ツインターボを搭載。シフトタイムを50%短縮したZF製6ATが組み合わせられた。 0-100km/h加速4.2秒、最高速325km/hとベントレー史上最強のオープンモデルとなる。日本での価格は3300万円

「スーパースポーツという、ある意味ベントレーの伝統を取り戻すための至極真っ当な商品企画があって、そのコンバーチブルモデルは副産物に過ぎないようにも思える。実際、そのライドフィールもひと言で言えば、やっぱり“屋根のないスーパースポーツ”というワンフレーズに落ち着くのだ。」
(ゲンロク誌より)

8月には、いよいよ上陸したフェラーリ458を試すことができた。その完成度たるや、想像を大きく上回るもの。フェラーリの底力を見た思いである。
フェラーリ458イタリア

F430の後継となるV8ミッドシップモデル、フェラーリ458イタリア。最高出力570psを発生する4.5リッターV8エンジンに、7速デュアルクラッチギアボックスのF1システムが組み合わせられる。サイズは全長4527×全幅1937×全高1213mm。価格は2830万円

「曲がる、停まる、加減速する。そのすべての瞬間に精神的な余裕があって、なおかつ速くて動きが正確である。澱みがない、弛みがない、怠くない。ハイパワーであるにも関わらず、なぜかクルマが掌にあるように思えるから、500psであることを忘れてしまいそうだ。」
(ロッソ誌より)
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