建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

中庭で緩やかに繋がる二世帯住宅[蓮根の家](5ページ目)

東京北部の周辺の、緑がさほど多く無く建て込んでいる住宅地の北西の角地に、ご両親と祖母と息子さん夫婦が住む家が完成しました。敷地の中心に配置した中庭に、1階ではロの字、2階ではコの字、3階では一の字で部屋が面するという、変化に富んだ二世帯住宅です。

執筆者:川畑 博哉

中庭をロの字に囲む親世帯

 

写真をクリックすると最初の写真に戻ります
1階
1. サンルームの窓を開け放って花崗岩を貼った中庭を見る。 2. キッチンから寝室と中庭を眺める。正方形の桟のモダンな障子の奥は寝室。 3. 2階と同じく、キッチンカウンターと収納の仕上げをナラ材で揃えたLDK。広さは約15畳。


親世帯の住む1階の全ての部屋は、ロの字にぐるりと囲むように中庭に面しています。祖母の6畳の個室の前にはガラス天井のサンルームがあり、縁側を連想させます。このサンルームは、ガラスの折れ戸を開け放てば中庭と一体なり、雨の降った日に閉じれば物干にもなるというフレキシブルな空間なのです。庭の南側に寄せて植えられたヒメシャラの木は、南側からの強い日射を抑え、心地よい風をそれぞれの部屋に届けてくれます。
ここは二世帯が完全に独立して住みながら、共生の象徴として植えられたヒメシャラの木のある中庭を介して、生活の距離感を適度に保ちながらも緩やかに繋がっています。これも二世帯が永く仲良く暮らしていくための、ひとつの解答といえるでしょう。

◆建築データと建築家プロフィール


  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます