中庭をロの字に囲む親世帯
1. サンルームの窓を開け放って花崗岩を貼った中庭を見る。 2. キッチンから寝室と中庭を眺める。正方形の桟のモダンな障子の奥は寝室。 3. 2階と同じく、キッチンカウンターと収納の仕上げをナラ材で揃えたLDK。広さは約15畳。 |
親世帯の住む1階の全ての部屋は、ロの字にぐるりと囲むように中庭に面しています。祖母の6畳の個室の前にはガラス天井のサンルームがあり、縁側を連想させます。このサンルームは、ガラスの折れ戸を開け放てば中庭と一体なり、雨の降った日に閉じれば物干にもなるというフレキシブルな空間なのです。庭の南側に寄せて植えられたヒメシャラの木は、南側からの強い日射を抑え、心地よい風をそれぞれの部屋に届けてくれます。
ここは二世帯が完全に独立して住みながら、共生の象徴として植えられたヒメシャラの木のある中庭を介して、生活の距離感を適度に保ちながらも緩やかに繋がっています。これも二世帯が永く仲良く暮らしていくための、ひとつの解答といえるでしょう。
◆建築データと建築家プロフィール