ハウスメーカー・工務店/有力ハウスメーカー紹介

ポラス(1) ハウスメーカー並みの地域ビルダー(2ページ目)

住宅業界を支える存在として、地域ビルダーと呼ばれる企業があります。今回は、埼玉県北部を中心とするエリアで展開するポラスグループを紹介。地域ビルダーの特徴などについても解説します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

ポラスグループの住宅事業は、大きく注文住宅事業と分譲住宅事業があります。まず注文住宅事業についてみると、近年、大変特徴的なことを行っています。それは、展示場のモデルハウスの見せ方に表れていますね。というのは、1つの区画に、2棟のモデルハウスを建てるという手法を積極的に取り入れているからです。

1つの区画に2棟のモデルハウス

モデルハウス

1区画にモデルハウスを2棟建てることで、狭小住宅についての設計の提案や工夫がより反映される。写真は埼玉県越谷市の「新越谷展示場」のモデルハウス

ポラスグループの営業エリアは、どちらかというと住宅密集エリアが多く、そうした地域は「狭い敷地を有効利用したい」という住まい方ニーズが顕著な土地柄です。ですから、モデルハウスも本来、そうしたニーズに対応した建物が必要とされます。

ただ皆さんもご存じなように、展示場のモデルハウスというのは、どの建物もやたらと大きくて豪華なものばかり。私たちの住まいに関するイメージと大きく異なる場合が多いようで、あまり親切とはいえませんよね。

ポラスグループのモデルハウスでは、1区画に2棟のモデルハウスを建てることで、狭小敷地における設計やデザインの手法を、私たちにわかりやすく説明するよう努力しています。こんな取り組みは、私たちにとっては親切で好感が持てます。

  さて、ポラスグループの注文住宅事業は、「ポウハウス」(主力商品で和のデザインがベース)、「北辰工務店」(昔ながらの「棟梁」が建てる住宅のイメージ)などいくつかブランドが分かれています。

8年連続GD賞受賞などデザイン性も進化

基本は木造軸組工法。ですが独自に「ポラス暮し科学研究所」という研究機関を持ち、耐震性や長期耐用などの工夫を行っており、そうした部分で「ハウスメーカー的な側面が感じられます。

工法

主力は木造軸組工法だが、「ポラス暮らし科学研究所」など独自の研究開発や、長年のノウハウにより信頼ある住まいづくりを行っている(クリックすると拡大します)

例えば「サステナブルシステム」が、国土交通省の「平成20年度(第2回)超長期住宅先導的モデル事業」として採択。こうしたことは大手のハウスメーカーでもなかなか難しいことで、技術や信頼性を裏付けるものの一つといえそうです。

また、近年はデザイン面でも随分と向上しました。特徴的なのが8年連続のグッドデザイン賞受賞。「アルジール」「和美庵(わびあん)」(いずれも2007年度)という商品が代表例ですが、こうした面でも単なる地域ビルダーの枠組みには収まりきらない実力を感じさせます。

先ほど紹介した1区画に2棟のモデルハウスは、「アルジール」と「和美庵」の二つのタイプを建てているケースが多いですね。次のページでは分譲住宅事業のほか、プレカット事業についてご紹介しましょう。これらもポラスグループらしさがよく表れています。
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