スイッチには、さまざまな機能を持つ多様な種類がある
操作面が大きく使いやすい、すっきりとしたデザインのタイプ。[ラフィーネアシリーズ]
パナソニック エコソリューションズ
照明器具や換気扇など、毎日何回もオンオフする電気スイッチ。住宅の設備機器の中では細かなものですが、暮らしの快適さに大きく影響する重要なアイテムのひとつです。
一般的な住宅で用いられるスイッチには、さまざまな形状や機能を持つタイプがあります。プランニングの際には、間取りや照明計画はもちろん、家族構成やライフスタイル、使い勝手や使用する空間に合わせた機能を持つものを選ぶことが基本です。
オンオフしやすいユニバーサルデザイン
最近の住宅設備のひとつの傾向として、ユニバーサルデザインが挙げられます。スイッチも同様で、高齢者でも子供でも使いやすいように、操作面のサイズが大きいもの、どの部屋や空間のスイッチか分かりやすいようにネームスペース部分が大きくなっているものなどもみられます。
大きい操作面のものは、手のひらでも肘でも軽く押すだけなので、 誰でも使いやすいのはもちろん、手がふさがっていても操作しやすいのがメリットでしょう。また、センサーやタイマーなどによって、使い勝手を高めたタイプも多くみられます。
インテリアに馴染むデザインも豊富に
スイッチプレートも機能性だけでなくデザイン性も高まり、インテリアに馴染むようなタイプもみられます。
家庭用では、白やベージュの樹脂製が一般的ですが、すっきりとしたデザインの商品やモダンなステンレス、和室に合うカラーを揃えたものなども。最近では、どこか懐かしい、クラシックな雰囲気を持つデザインもみられます。ホームセンターやネットショップなどでは、木製や磁器製のプレート(カバー)などもみられ、手軽に取り換えることも可能。室内に数多く取りつけるアイテムなので、空間全体にしっくりと馴染むようなタイプを選ぶようにしたいものです。
主なスイッチの種類と特徴
スイッチを機能で大きく分類すると、「手動でオンオフするもの」「時間が来ると自動でオンオフするもの」「センサーで感知して自動でオンオフするもの」などがあります。
また、ひとつのプレートにひとつのスイッチというものだけでなく、複数のスイッチがセットされたもの、コンセントなど他の機能を組み込んだ タイプなどもあります。
■基本スイッチ 一般的な片切りのスイッチ
ひとつの場所で、ひとつの照明や換気扇などをオンオフするための、もっとも一般的なスイッチ。基本的には、右側を押すとオン(点灯)、左側を押すとオフ(消灯)になります。
■3路スイッチ 2ヵ所からひとつの機器を操作可能
ふたつの場所から、ひとつの機器をオンオフさせるためのスイッチのこと。多く用いられているのは階段の照明のスイッチ。1階からも2階からもオンオフさせることが可能です。玄関ホールと廊下などに設けてもいいでしょう。4路スイッチは、3ヶ所以上の場所からひとつの機器をオンオフさせるためのスイッチになります。
■ほたるスイッチ 暗闇でもスイッチの位置が分かる
オフの時に内蔵されたランプが光るスイッチ。暗闇で蛍のように内蔵されたランプが光るので、ほたるスイッチと呼ばれています。スイッチを入れると、内蔵ランプは消えます。寝室やトイレ、廊下などに用いると、夜間でもスイッチの位置が分かるため安心でしょう。
■パイロットスイッチ オンのときにランプが点灯。消し忘れ防止に
オンにしたときに、内蔵されたランプが点灯するスイッチ。ランプの点灯で、その機器が運転しているかどうか確認できるので、消し忘れを防止することが可能。換気扇やエクステリア灯などで用いられるケースが多くみられます。オンを赤色、オフを緑色のランプで知らせる、パイロットスイッチとほたるスイッチの 両方の機能を持つタイプもあります。
(左)スイッチとコンセントが一体化したタイプ。 [コスモシリーズ ワイド 21 スイッチコンセント] (右)照明と換気扇のスイッチはトイレ向き。[コスモシリーズ ワイド 21 トイレ用換気扇スイッチ] パナソニック エコソリューションズ
■遅れスイッチ オフ操作から少し遅れて停止
スイッチをオフにしても、数十秒から数分の一定時間、オンの状態を継続するもの。トイレの換気扇などに多く用いられているスイッチです。
■調光機能付きスイッチ 行う作業によって明るさを調節
好みの明るさ(0~100%)に調節することができる調光機能の付いたスイッチのこと。操作する方法の違いで、スライド式とダイヤル式があります。行う作業や雰囲気に合わせた灯りの演出が可能なため、リビングやダイニングなどに多く用いられています。最近では、LEDに対応したタイプも揃っています。
■自動点滅器 周囲の明暗に合わせてオンオフ
周囲が暗くなれば自動でオンとなり、明るくなるとオフにとなるもの。スイッチの操作は不要です。庭園灯や街路灯に使用されているものです。
■センサー付きスイッチ 人の動きを感知して自動でオンオフ
人の動きを感知し自動的に電源をオンオフするスイッチ。玄関や廊下、階段などで用いられ、消し忘れなどを防ぐことができるので、省エネルギ―効果も。防犯も兼ねて門や玄関灯、勝手口灯で使用するケースも多くみられます。明るさセンサー機能も含まれているタイプは、周囲が明るい時は人が通ってもスイッチがオンになりません。
(左)普段は足元灯として、停電時は携帯電灯として持ち運びすることが可能。[かってにナイトライト・保安灯] (右)緊急時に外部へ知らせることができるスイッチ。[コスモシリーズ ワイド 21 押釦スイッチ] パナソニック エコソリューションズ
■押釦(おしぼたん)スイッチ ボタンや紐で緊急を知らせる
押しボタン付きのスイッチ。引き紐の付いたタイプもあります。トイレや浴室、寝室などで、万一気分が悪くなったとき、外部へ知らせることができるため、高齢のご家族がいる場合など、設置しておくと安心でしょう。
一括してオンオフできる機器も
最近では、スイッチに電波受信・送信機能を搭載したタイプもみられます。リモコンやスマートフォンで複数の照明を同時にコントロールできるため、壁のスイッチ操作をしなくても、オンオフや調光などが可能なものです。家族構成やライフスタイル、空間に適しているかチェックを
実際の家づくりの中では、スイッチに関しては、あまりこだわらず、設計担当者にお任せ、といいうケースもあるかもしれません。しかし、最近ではさまざまな新しい機能もでていますし、使い方は家族構成やライフスタイルによっても異なるものです。
設計担当者から提案されたプランが適切かどうか、しっかりと説明を受け、日々の暮らしをイメージしながら検討を。事前にどのような機能のタイプがあるのか、ショールームやカタログで確認しておくことも大切でしょう。
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