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意外に油系に偏りがち? おうちごはんの実態(3ページ目)

長引く不況で、外食や中食を控え、内食で食費を節約する家庭も多いようです。外食より内食の方が、不足しがちな野菜等も食べられ、栄養バランスが整いやすいイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

 

ポイントは調理法と味に変化をつけること

このフジッコの調査結果を受け、本多京子氏(医学博士・管理栄養士。日本食育学会理事)は、次のようにコメントしています。
 
「日本人のエネルギー摂取量は昭和50 年代をピークに減少しつづけ、現在では戦後の食糧難時代より落ちている(1,867kcal/day)一方で、全体に占める脂肪分のエネルギー比率が高くなっています。

さらに、食品数や調理法のレパートリーも減少傾向にあり、全体的に乏しい食卓になっているのが現状です。

フライパン料理は手軽ですが、調理法が「炒め物」や「ソテー」など“油”に偏りがち。また、副菜に「生野菜サラダ」を組み合わせると、ドレッシングやマヨネーズなどを使うことで、さらに油の摂取カロリーが増えてしまいます。

栄養バランスを整えるために、鍵となるのは「副菜」です。このとき、主菜と副菜の合わせて3 品で「調理法」と「味付け(調味料)」を変えれば、自然に栄養バランスが整い、脂質過多も防げます。」
 

目安は「一汁三菜」

一汁三菜,和食

和食の献立の基本は、「一汁三菜」

自分にとって必要な1日のカロリーは? タンパク質は? カルシウムは?……こんなに細かく計算して料理が作れる人はほとんどいないでしょう。

難しく考えなくても、幅広い食品から栄養のバランスがとりやすい目安となるのが、和食の献立主食のごはんに、汁物、主菜+副菜(2品)「一汁三菜」スタイルです。

このスタイルはいつ頃できたのでしょうか。長い歴史の中で、日本は中国の文化や仏教の影響を受け、平安時代以降独自の文化を形成してきました。

飢饉や戦争などいろいろな困難な時代があり、貴族や武士等の特権階級の人たちには、大饗料理や本膳料理などのもてなし料理が供される一方で、庶民は米ではなく雑穀で一汁一菜もままならないことが当たり前だったのですが、平安末期の頃には、食事の基本は「一汁三菜」スタイルになり、茶の湯者の千利休により懐石料理にも「一汁三菜」が取り入れられ、江戸時代には庶民にも定着したと言われています。

主菜には、旬の魚や肉、卵などたんぱく質を中心としたものを考えます。
副菜の1品は、煮物や炒め物など、主菜に次ぐボリューム感のあるもの、さらに1品は、あえもの、おひたしなどにします。副菜は、野菜や芋類、豆類、きのこ、海藻類などを使い、不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維がたっぷりとれるように心がけましょう。

主菜には、揚げたり炒めたり、また動物性の食材を使うと脂肪分も含まれますから、副菜にはできるだけ油分を使わない調理法を選びましょう。最近人気の蒸し料理は、調理は簡単ですし、素材の旨味が生かされおいしくいただけるので、おすすめです。

和食だけでなく、洋食や中華などの料理でも同様に考えて、献立を作りましょう。
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