日本の木造は間取りで柱・梁の位置が決まってきた
このような暮らしの変化を人生にわたって見通すことが、家づくりにおいて不可欠です。「暮らしの変化に合わせて住まいを変えられる」つまり「スケルトンインフィル」という考え方がのが今後の家づくりには期待されています。マンションなどではという考え方が随分前から取り入れられてきました。可変性を意識した子ども部屋スペース(写真提供:パナホーム)
近年はこの欠点を是正しようと研究がなされ、木造住宅においてもスケルトンインフィルの考え方ができる住宅ができてきました。例えば、2007年にグッドデザイン賞を受賞した「木造ドミノ住宅」。建物の外周部に設けた必要耐力壁と、内部に設けた大黒柱によって全体を支え、内部の間取りや設備は自由に変えられるようになっています。
【参考】東京都都市整備局「地域工務店のための安くて室の良い家づくりのひけつ」
木造ドミノ住宅の挑戦
暮らしの変化に伴う住まいの変化の変化が特に大きいのは、やはり子ども部屋。最終的には人数分の子ども室が必要になるにせよ、子どもが小さなうちにはコマ割りにせず、広く使う。将来は間仕切りや造作家具で2つに分けられるように…という形が最近は一般的。また勉強は家族のいるLDでやって、子ども室は最小限でいいと希望する親も増えてきました。将来子ども室を与えるにしても、勉強コーナーは兄弟で共有にしたいなど家族によって望む形も様々です。子ども部屋はその家族の教育方針が最も現れる箇所
もうひとつ、「木造ドミノ住宅」の主旨に共感するのは、地域工務店と住み手との協同で家を守っていくというコンセプト。日々の手入れやメンテナンスは住み手自身が行い、専門的な点検やリフォームなどは地域を良く知る工務店が行うというもの。
プロジェクトではそうした工務店を「いえもり」と呼んでいますが、住み手と地域工務店の連携とネットワークで、住まいを、そして街をまもっていくことで、次世代によい住まいと住文化を継承していこうとする思いには共感できます。大切な伝統を引き継ぎながら今後の住まいづくり・街づくりの再構築ともいえるのではないでしょうか。
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