50万円前後でウッドと本革が備わる希少なセダン


気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はジャガーXタイプ(絶版)をご紹介したいと思います。当時フォード傘下にあったジャガーは、フォードのモンデオをベースとした、ジャガーとしては最も小さなサイズの(とはいえメルセデス・ベンツのCクラスやBMW 3シリーズをライバルとする)高級セダンをリリースしました。

ジャガーXタイプ フロント

全長4685mm×全幅1790mm×全高1420mmというサイズはライバルCクラス(旧型)や3シリーズ(旧型)よりは若干大きいサイズ。そこに丸目4灯など当時のXJのモチーフをうまく表現しています

日本登場は2001年9月。フラッグシップであるXJの雰囲気をギュッとまとめたエクステリアやインテリアは、いかにもジャガーらしいもので、ライバルのドイツ車にはない魅力がありました。搭載されたエンジンは2.5LのV6と3LのV6(後に2Lも追加)、ミッションはいずれも5速AT。また、モンデオとの差別化を図るためか、デビュー当初は4WDのみという設定でした(後にFFモデルも追加販売されています)。新車時価格は425万円~525万円。

日本の自動車評論家たちには、その走りの味も含めて概ね好評だったと記憶しています。しかし「これはジャガーじゃない」と言う人もいました。いずれにせよ主な市場と目された北米ではまったくふるわなかったため、とうとう2009年には生産終了します。ここで重要なのは、ジャガーらしいかどうかや販売台数ではなく、今や50万円以下で小さな高級セダンが買えるという事実です。原稿執筆時点で38万円(2002年式/3.9万km/修復歴なし)から見つかるのです。

ジャガーXタイプ リア

XJはメルセデスならSクラス、BMWなら7シリーズに匹敵するプレミアムモデル。そこにSタイプでEクラスや5シリーズ、そしてこのXタイプでCや3に対応するモデルの展開を測ったというわけです

フォードは、日本においてはCクラスや3シリーズ、また当時急伸してきたアウディA4などのライバルたちを食うのではなく、「ジャガーブランド」によってこの市場をさらに大きくすることを狙っていました。具体的にはトヨタマークIIやプログレ、日産スカイライン、ホンダインスパイアなどからの(プレス資料にこれらの車名が掲載されていましたから、かなり本気に)乗り換えを期待したようです。

新車時にそれらの車から(フォードの目論見通りに)乗り換えた人もいるかどうかはわかりません。ただ確実に言えるのは、新車時以上に今の中古車価格なら日本車からの乗り換えが多くても不思議ではないことです。何しろ、ドアを開けて乗り込む度に、ふんだんに使用されたウッドパネルがオーナーの心をくすぐる数少ない50万円セダンであることは間違いないのですから。

そうなのです。ジャガーらしいかどうか以前に、あるいは売れたかどうかということも無視して、「50万円で扱いやすいサイズの高級車が買える」という点においてこそ、Xタイプは大変貴重な中古車なのです。

このジャストサイズな高級車の魅力を、次ページでさらに詳しく見ていきましょう。