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年金制度への不安から保険料を納付しない人も少なくありません。公的年金のない老後の生活に不安はないのでしょうか?

厳しい雇用情勢が続く中、15~24歳の若い年代の失業率は高い状態が続いています。この年代の雇用情勢の厳しさが国民年金の第1号被保険者の年齢構成に影響し、さらに保険料納付率の低下に影響していることを、1度このサイトで取り上げました(詳細は「20代・30代で必要な年金」をご覧ください)。公的年金の保険料を納付しない理由の第1位は、「保険料が高く、経済的に払うのが困難」というものでしたが、第2位は「年金制度の将来が不安・信用できない」という年金制度への不信感でした。経済的な理由から保険料を納付できない場合は免除制度などを利用することで将来の年金を確保することができますが、年金制度への不信感から保険料を納付しないと受給資格が満たせずに年金が全く支給されない可能性が高くなります。もし、年金が全く支給されない老後を迎えたらどうなるのか、年金のない世界をシミュレーションしてみます。
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年金不安、老後資金はどうしている?
老後の生活に必要な金額
ライフプランに欠かせない公的年金
 

年金不安、老後資金はどうしている?

国民年金の保険料を自分で納付するのは第1号被保険者のみですが、第1号被保険者約1985万人のうち、未納者(滞納者)は、約321万人となっています(厚生労働省「平成21年度における国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」より)。経済的な理由から保険料を滞納する人もいますが、保険料を滞納している人の世帯の所得の状況は以下の通りです。
グラフ1

(厚生労働省「平成20年度国民年金被保険者実態調査」より)


所得が低い世帯ほど滞納者の占める割合は高くなっていますが、所得が1,000万円以上あっても保険料を滞納している人は9.6%で、保険料が負担できるのに滞納している人も少なくありません。所得が1,000万円以上あるのに保険料を滞納している理由は以下の通りです。
グラフ2

(厚生労働省「平成20年度国民年金被保険者実態調査」より)


「年金制度の将来が不安」「社会保険庁が信用できない」など年金制度への不信感から保険料を納めない人が30%を占めていますが、所得が高い人でも「保険料が高い」という経済的な理由が最も高くなっています。

一方、国民年金の保険料を滞納している人のうち、どのくらいの人が民間の生命保険や個人年金に加入しているのかを調査した結果は次の通りです。
グラフ3

(厚生労働省「平成20年度国民年金被保険者実態調査」より)


全体でも50%近い人が生命保険か個人年金に加入しており、35歳以上の年代では半数以上が加入しています。また、1ヵ月に負担する生命保険や個人年金の保険料は、平均で生命保険が13,400円、個人年金が14,300円で、調査が実施された平成20年度の国民年金の保険料(月額14,410円)とほぼ同じ金額になっています。国民年金の保険料を滞納し、将来公的年金が受給できなくても、生命保険や個人年金および預貯金だけで老後の生活を支えることができるのでしょうか?事例を使って計算してみましょう。