公的介護保険だけで、賄える?
ホームヘルパーさん、毎日ずっと傍にいて欲しいわ……
A子さん(70歳女性)は先日脳梗塞で倒れ、要介護認定を受けました。定期的に訪問介護で入浴介助などをしてくれるのは大変助かりますが、毎日ずっと傍にいてくれるわけではありません。72歳の夫と会社員の息子夫婦が同居をしていますが、息子夫婦は共働きです。一昔前は「お嫁さんがお姑さんやお舅さんの介護を全面的に担う」という光景が多く見受けられましたが、お嫁さんも正社員として働きながら子育てをしているため、介護にかかりきりになれる状況ではありません。A子さんの夫も体力的に限界に来ていたので、やむなく、家事代行サービスを週に3回ほど頼むことにしたそうです。
A子さんのように公的介護サービスで賄いきれない場合、全額自己負担で外部サービスを利用する方も多いようです。家族が全ての家事や介護を背負い込んで、体調を壊したり精神的に疲れきってしまったりした、という話もよく聞きます。外部サービスを上手に活用できるように、資金面も備えていきたいですね。
介護状態になると、いくらお金がかかる?
将来、どの程度の介護が必要になるかは、その時にならないと分かりませんが、世間の人たちはどれくらいお金をかけているのでしょうか。生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(21年度)」によると、過去3年間の介護経験でかかった費用は、一時的な費用の合計が平均86万2千円、月々の費用は平均7万3千円でした。これはあくまでも全国平均のデータですが、年金生活をしている人にとっては、負担が大きいのではないかな? と思います。
これまでは介護を担っている人々が、お嫁さんや家族が中心で、なんとか自分達で賄ってきた、という家庭も多いと思います。けれども、共働き世帯が増えてきたこの頃、その両親が介護を要する頃には、家事代行などの外部サービスを利用する必要が出てくると思います。さらに今後は、介護費用の自己負担割合も上がるかもしれません……となると、かかる費用はもっと多くなる、と考えておいた方が安心と言えるでしょう。
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