唐辛子をまったく使わないオリッサ州のカレー2品

「ジャガンナート」では、カレーの種類は実に少なく、6種類のみである。しかも、1種類のみが日替わりカレーとして内容がかわるだけで、あとは同じメニュー。昼も夜も内容は同じだ。総じて、料理は塩気、油分、辛みが控えめ。しかしながら、酸味がきいたもの、甘みを感じるもの、辛さをやや強めにきかせてあるものなど、味の傾向が違うカレーを揃えているため、カレーの組み合わせかたによって、えもいわれぬ味のグラデーションを体験することができる。

「ガルマ」

豆と野菜のカレー「ガルマ」

お店のかたによると、ここはインドのオリッサ州出身者の指導のもとに、オリッサ州の寺院のカレーを一部提供するという。オリッサ州はインドの東部。インドのなかでも唐辛子をあまり使わない地域だ。「ガルマ(豆と野菜のカレー)」「ガーンタ(さつまいもとかぼちゃ入りの季節の野菜カレー)」は、その最たる例。双方とも唐辛子はまったく使っていない。オリッサ州の寺院では毎日食されるという。

「ガーンタ」

さつまいもとかぼちゃがはいった、ほんのりと甘いカレー「ガーンタ」

それらの味わいは、ゆっくりと口に含めば含むほど、満足度の高いものだった。野菜と豆のもつ滋味深さが穏やかなスパイス使いと織りかさなり、素材が優しい微笑みをもってそっと姿をあらわすのである。辛さを求めるのであれば、テーブルに置かれているマンゴーピクルスと唐辛子ペーストでアクセントをつけるとよい。でも、まずはじっくりとそのままの味を堪能したい。