最初に「私たちはたぶん、老後準備を初めて真剣に考えた世代だ」と言いました。これはもう、「年寄りばかりたくさんもらえてズルい!」と憤っても仕方がないことです。なぜなら彼らはそもそも準備する必要を知らなかったし、準備をしてこなかったからです。お年寄りも全員が大金持ちではありません。かなりギリギリでやりくりしているお年寄りもたくさんいるのが現状です。
私たちは親の世代とは違い、「老後の全額を国の年金に頼ると国がもたない」ということや「老後の全額を国からもらえそうにない」ということを知っています。そうであれば、先を見据えて準備していくことが必要です。
自分で自分の老後を備えよう、という意識は、親の世代がしっかり考えてこなかったテーマですから、親のマネをしてはいけません。少なくとも分かっている、ということは「自己防衛するチャンスはある」ということです。
私はよく「子の学費を無理して親が払うより自分の老後」「住宅ローンを無理して組むなら老後に貯めておけ」というようなコラムを書きますが、これは意識を大きく変えていかないと老後のお金が貯められないからです。
せっかくの老後に備えるチャンスを活かして、「初めて真剣に老後準備を考えた世代」の老後が幸せなものになるといいなと思います。
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老後準備を個人がどうするか、というテーマについて個人の生活にに目を向けると、同じテーマについてさらにいろいろな問題点が広がってきます。これについては来月述べてみたいと思います。
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