ピッキング・泥棒の対策/ピッキング・空き巣を防ぐ

犯罪情勢に見る侵入犯罪の今と“補助錠”対策(3ページ目)

警察庁発表の「平成22年上半期犯罪情勢」の中から、「侵入犯罪」にフォーカスして最近の傾向を分析します。さらに必要不可欠な補助錠対策についても情報をお伝えします。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「合鍵」管理の重要性

帰宅後の鍵の置き場は?

帰宅後の鍵の置き場は?

帰宅して玄関ドアを開けたら鍵はシュークロゼットの上……という人はかなり多いようです。「どうせ出かけるときに必要なのだから」という理由は分かりますが、これは危険です。シュークロゼットの上に鍵を置いていた人が、知らない間に誰かに合鍵を作られて侵入窃盗被害に遭うといった事件も発生しています。鍵は少なくとも玄関からドア一枚隔てた室内で保管するようにしましょう。習慣付ければそれが当たり前になります。

また、集合郵便受けに合鍵を入れておいたり、植木鉢の下に置いたり、メーターボックスの中に置いておくなどの「置き鍵」は、「どうぞこの鍵を使って我が家に侵入してください」とでもアピールしているようなものです。「置き鍵」は大変危険なので、絶対に避けましょう。「合鍵」による侵入窃盗事件は最初のページのグラフにあるように、422件で全体の約10.7%、1割強となっています。

■「“郵便受け”を“鍵置き場”にしないで!」
■「こんなに危ない『合鍵』の存在」

「無締り」の危険性

建物が「オートロック」だからと、ゴミ出しや郵便を取りに出るとき、コンビニに行くときなどに鍵をかけずに出たら? すぐ戻るから、といえども開け放しているのは、路上と変わりない、誰でも侵入できる状態です。そして実際に鍵をかけずにいて(=無締り状態)、侵入窃盗被害に遭ったのは、最初のページのグラフにあるように1336件で全体の33.8%つまり3件に1件が「無締り」による被害であり、「ガラス破り」1496件37.9%で5件に2件弱に迫る勢いです。鍵だ錠前だというより以前に、鍵をかけないのでは話になりません。

■「若者よ!オートロックを過信してはいけない」
■カギは命を守るカギ!婦女暴行魔が狙っている

外出時の鍵の保管に警戒

女性の自宅の鍵を職場のロッカーから盗み出して合鍵を作り、深夜侵入して殺害したという事件もありました。在宅中に侵入されたら身の危険も伴います。不在のときでも見知らぬ誰かに侵入されるということは、被害の多寡によらず精神的ダメージを負います。外出時の鍵の保管にも警戒が必要です。
住まいを金庫のように考える

住まいを金庫のように考える


自宅という住まいは、自分と家族の命と財産を守る大切な場所です。鍵は常時かかっているのが当たり前で、出入りのときだけ開ける、という「我が家は金庫」という発想を持ちましょう。「安全で信頼のおける鍵と錠」そして、「日ごろからの心がけ」が住まいの安全を確かなものにするのです。

なお、これから年末に向けて大掃除のシーズンですが、この機会にぜひ、玄関ドアの鍵穴のお手入れもしましょう。

■「使ってはいけない潤滑油とカギのお手入れ法」



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