人であっても犬であっても、できれば薬を使わずに自然体で生活したいものですが、なかなかそうもいきません。犬の場合はフィラリア予防薬が必要であったり、何かと薬を飲ませる機会もありますので、基本的な薬の飲ませ方は覚えておきましょう。


錠剤・カプセルの飲ませ方

錠剤の場合は、主に以下のような方法があります。

1:食べ物に包んで与える
チーズ、お肉、パン、茹でたジャガイモやカボチャなど、錠剤を包み込めるような食べ物の中に入れて、そのまま食べさせます。薬を包んだものと同じ食べ物を3~4個用意し、最初は薬の入っていないものをいくつか与え、何個目かに薬の入った食べ物を続けて与えます。この時、犬の口のサイズにもよりますが、食べ物はあまり大きくないほうがいいでしょう。大きいと噛んでしまうことから中の薬が出てきてしまい、吐き出してしまうことがありますので、ごくんと飲んでくれそうな大きさがベストです。

2:雑炊のようなスープ分またはとろみのある食事の中に混ぜて与える
普段の食事の中に何気なく混ぜてしまいます。

3:飲薬用ゼリーを使って飲ませる
子供に薬を飲ませるためのゼリー状オブラートが市販されていますが、そういったものを使ってみるのも一つの手。ただし、犬にとって危険な成分が入っていないかどうか、きちんとチェックすることをお忘れなく。

4:口を開けさせて強制的に飲ませる
人間でもそれほど苦もなく薬を飲める人もいれば、少々苦手だという人がいるように、犬の場合も難なく飲み込んでしまうコがいる一方、頑として飲もうとしないコもいます。また、1・2・3の方法を試してみても途中で薬が入っていることに気づき、器用に薬だけ残してしまうこともあります。そんな時には口を開けさせて飲ませるしかありません。

錠剤の飲ませ方1

犬の上顎を軽く押さえて口を開けさせる

利き手ではないほうの手の親指と中指を犬歯の後ろに置いて犬の上顎を押さえ、利き手で下顎を軽く開けます。この時、上顎をあまり強く押さえると鼻筋を圧迫してしまい、呼吸が苦しくなって犬が嫌がることがありますから、力加減に気配りしてください。そして、利き手の指先に薬を持ち、舌の奥のほうへ置きます。あまり奥に置きすぎると吐く素振りを見せますので、ご注意を。なお、カプセルの場合は水などで少し濡らしてからのほうが飲みやすいでしょう。

錠剤の飲ませ方2

上顎を押さえなくても口を開くコもいる

場合によっては上顎を押さえずとも口を開いてくれるコもいます。








錠剤の飲ませ方3

口を閉じさせ、口先を上に向けて喉を優しく撫でる

薬を舌の奥に置いたら口を閉じさせ、そのまま口を開けないように軽く押さえて、もう片方の手で喉をさすってやります。飲んだようなふりをして、薬が喉の奥に残ったままということもありますので、一応口の中をチェックしてみてください。このように口を開けさせて薬を飲ませる場合は、あまり手こずっていると薬を飲むという行為自体、犬に嫌な印象を与えてしまい、口を開かなくなってしまうこともありますので、なるべく素早くできるように練習をしましょう。


粉薬の飲ませ方

粉薬の場合もいくつか方法があります。

1:食事の中に混ぜて与える
ドライフードそのままでは無理ですが、スープ分やとろみを加えたもの、缶詰やパウチタイプのフード、手作り食であれば同様にスープ分やとろみを加えた食事に薬を混ぜて、そのまま与えます。

2:薬に水分を加えて口の中に塗る
粉薬を少量の水で溶かし、それを煉って、上顎または舌の裏側などに塗ります。量が多い場合は少しずつ塗ってあげましょう。

3:水で溶いて液状にして飲ませる
2の場合よりも多い水分で粉薬を溶かし、スポイトや針のない注射器(シリンジ)を使って飲ませます。飲ませ方については下記の「水薬の飲ませ方」を参照してください。

4:市販のオブラートに包んで与える
適量をオブラートに包み、「錠剤・カプセルの飲ませ方 4」と同じ方法で飲ませます。この他、飲薬用ゼリーを使ってみてもいいでしょう。


水薬の飲ませ方

水薬の飲ませ方

スポイトやシリンジを使って口の端から少量ずつ飲ませる

スポイトや針のついていない注射器(シリンジ)を用意し、その中に適量の水薬を入れます。犬の口をやや上向きにさせて、唇の端から少しずつ飲ませます。一回の量が多過ぎると薬がこぼれ出てしまいますので、犬の飲み方に合わせ、少しずつ注入してあげましょう。カプセルの場合、中身の薬を取り出し、水に溶かしてこの方法で飲ませることもできますが、カプセルには遮光効果や、胃や腸、どの部分で薬を最も効果的に効かせるか、そのための溶解スピードを調整するという目的もありますので、中身を出して飲ませても大丈夫かどうかは動物病院で確認してください。

どの方法が愛犬にとって最も楽か、試行錯誤しながらベストな方法を見つけてください。また、口を開かせるには日頃から口の周りや口の中を触られることに慣らしておくことが大事。愛犬との関係が築けてこそ薬も上手に飲ませることができます。日々のスキンシップに心がけましょう。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。