ストレスという言葉を見聞きすると、なんだか悪いものをイメージしますよね。しかし、ストレスには悪いものだけではなく、いいものもあるのです。

ストレスの原因

犬のアクビ

アクビもストレスサインの一つになっている場合がある

ストレスの原因となるものには、主に以下のようなものがあります。
  • 欲求不満や不安、緊張、恐怖、悲しみ、淋しさなど心理的なもの。
  • 暑さや寒さ、湿気、騒音、落ち着けない、不衛生など環境的なもの。
  • 病気や痛み、痒み、栄養の過不足、薬物の影響など。
  • 運動不足、運動過多。
ストレスなんて、そんなものなければいいのにと思いたくもなりますが、意外にそうでもなく、ストレス(刺激)がまったくない環境で人間が過ごすとどうなるか?という実験によると、体温調節機能が低下したり、幻覚を見るようになるなどの結果が得られたそうで、ストレスゼロというのも問題であり、生きていくにはある程度のストレスは必要なのだということがわかります。

たとえば、体が寒いと感じると交感神経が働いて末梢血管を収縮させ、体外への熱の放散を防ぐ一方で、甲状腺刺激ホルモンの分泌が増加して代謝を促す甲状腺ホルモンが分泌され、体内で熱が生まれて寒さに対応します。気温差も何もないところで生活し続けると、そうした機能自体も働かなくていいと思い込んでしまうのかもしれませんね。

心身のバランスを保つホメオスタシス

こうしたストレスを受けても、それに対抗しうるだけの機能を人間も犬も持ち合わせています。それがホメオスタシスと呼ばれるもの。内分泌系・神経系・免疫系の3つが連動し合うことで、ストレスを受けたとしても、それをはね返すだけの力は本来持っているのですが、ストレスが強過ぎたり、長期に及んだ場合にはその連携も崩れ、心身に悪影響を与えてしまいます。

何らかのストレスを受けた時に副腎髄質からはカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの総称)、副腎皮質からはコルチゾールが分泌されるということはご存知でしょう。別名闘争ホルモンとも呼ばれるカテコラミンは血圧を上昇させ、血糖値を上げることで脳や心臓、筋肉への酸素やエネルギー供給量を増加させたり、ケガをしてもすぐに血が止まるように血液凝固作用を高めたり、その他発汗などに作用します。一方、コルチゾールにも似たような作用があり、心臓の収縮力を高めて心拍出量を上げるなど、その相互作用によって体がストレスに対して素早く戦闘態勢がとれるように働きます。

しかし、コルチゾールが長期にわたって慢性的に分泌されると免疫力の低下を招き、思わぬ病気になってしまうこともあるのです。また、必要以上のストレスは自律神経失調の他、心臓や血管に負担がかかることから血栓や動脈硬化などの心臓疾患を起こしやすくなる、性ホルモンの分泌低下など体に様々な影響を及ぼしてしまうことがあり、軽く考えることはできません。


次のページでは、ストレスに対する対処法について。