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内職の現場を訪問!継続は力なり。60代が稼ぎ頭!(2ページ目)

自ら内職を体験し、内職あっせん業を行っている東京都江戸川区のタクミ商事の内匠さんに、実際の現場について詳しくお話をお聞きました。

宮田 志保

執筆者:宮田 志保

テレワーク・在宅ワークガイド

コミュニケーションはとても重要

内職

倉庫には沢山のダンボール。日々仕事が流れています

内匠さん:タクミ商事のスタートは、私も4人の子どもがいて、息子が3歳になった時に自宅でできる仕事を探そうと思い内職を始めたのがきっかけです。

ある日、業者さんに作業者を何名が集めてくれないかと依頼され、大きな量の仕事を請けるようになりました。そこで、当時建築会社を経営していた夫が、会社組織にした方が良いとのことでタクミ商事を作ってくれました。

夫が亡くなっても、業者とのやりとりも、作業者への発注も私がやっていたため、会社を継続することができました。夫のお葬式を日曜にしてもらい、あとは通常通り営業し頑張ってきたんですよ。

ありがたいのは、私が交通事故のために足を悪くしてしまったのですが、業者の方も、内職者の方も私が動けなくても、自分たちで箱を動かしたり荷物をまとめてくれます。これはお互いに信頼関係があるからこそできることだと思っています。

毎日仕事が発生しますので、お願いしている方とはほぼ毎日顔を合わせます。仕事の発注は出来上がったものを持ってきてくれた時に口頭で伝えるし、毎月の報酬も直接現金を封筒に入れて渡しています。なかには、美味しい煮物を作ったとか、頂き物のおすそわけを持ってきれくれる方もいるんですよ。家族の話や、健康の話など何気ない会話を大切にしています。新しい方には、こちらから声をかけていますよ。

こちらとしても長くおつきあいをしたいので、仕事の受け渡しだけでなく、その方の特徴とか、いろいろな面を知ることが、トラブルの回避につながるのです。コミュニケーションをとることはとても重要ですね。

70代がイキイキと仕事をしています

内職作業

作業者ごとに作られた仕切書。受発注から報酬までこの一冊で管理されています

内匠さん:うちで長くやってくださっている方は、休まないし、病気をしない。私も尊敬しているのですが、70代の方で毎日きちんと仕事を請け、納品してくださる方が何人もいます。皆さん、健康管理に努めていますね。中には、家族に障害があったり、介護をしないといけない方もいるのですが、仕事を請けるようになって、気持が明るくなった、気が晴れるというお話を聞くととても嬉しいです。

内職ってやっている時は無心になれるんです。黙々と作業に集中できるので、つまらないことを考えなくてもいい。気持の切り換えにもなるし、煙草を止められたなんて方もいましたよ。

内職の稼ぎは確かに安いですが、主婦にとっては金銭感覚を養うことができます。例えば買い物に行って1000円の商品を買うとき、自分が1000円を稼ぐためには、どんなに大変だったかということを思いだせるのです。無駄遣いもしなくなるし、お金を稼ぐことの大変さがわかるようになります。経済観念もでてきますよ。

取材を終えて

内匠さんにお話を伺っている間にも、ダンボールを台車に積んだ60代の女性や、箱を自転車に積んだ30代の女性など、何人もの方が仕事の報告と、新しい仕事を請けていきました。

「いやあ、もう疲れた」「明日は、休もうってきめた(笑)」など、内匠さんとの会話も楽しく、厚い信頼関係を築かれているのだと思いました。内匠さんいわく、近隣の方に作業者を絞っているのは、何かトラブルがあったときに、すぐに集まり作業ができるから。内匠さんがお願いすれば、すぐに駆けつけてくれる方が何名もいるそうです。ワークスタイルは違いますが、仕事に対するポイントはどの業界も同様なのだと改めて感じました。
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