内職

有限会社タクミ この道30年。地域に根付いた企業です

自らも内職者として作業を体験し、その経験を活かし内職あっせん業をスタートされた有限会社タクミ商事の内匠さん。仕事を手がけて30年のキャリアをお持ちです。今回は、あまり知られていない内職(家内労働)の現場について詳しくお話を伺いました。
有限会社タクミ商事

あっせん会社は自宅から近いことがポイント

内匠さん:以前は、内職を探している方は、自治体の紹介窓口からくることが多かったのですが、最近はインターネットのホームページがほとんどですね。募集は「JR小岩駅近辺にお住まいの方」と明確に書いてあるのに、都内でも世田谷や練馬とか板橋の方から連絡があります。この前は北海道の方から問い合わせがありました。車で取りに行きますとか、送ってくださいとかおっしゃいますが、車で取りにくるほどガソリン代はでませんからとお断りしています。

うちでお願いしている方は、全員JR小岩駅周辺の方です。みなさん、徒歩で台車を押してこられるか、自転車ですね。車でも10分以内の方たちです。

内職に適した人物、続かない人物

内匠さん:内職に向いている人と向いていない人っているんですよ。よく甘い考えを持った人がいて、暇な時間にやってみようとか、パートが終わった後とか、子育て中で子どもが寝ている間とか考えて応募してくる方がいますが、そんな甘いものではないんですよ。そういう方たちは全員断っています。

長く続く方は、昼作業をして夕食が終わった夜にも少し作業してと、一生懸命真剣に取り組まれています。そうでないと、みんなと一緒のペースをこなしていけないのです。もちろんその合間に家事や育児をやっている方もいますが、本当に時間管理を上手にされています。作業の内容は単純作業ですが、納期厳守ですから厳しい自己管理が必要なのです。

例えば、明日までの仕事を10名から20名の方に振り分けるとします。そのうちみんな終わってきてるのに、一人でも出来上がらなければ、仕事全体としては納期に間に合わないことになります。もちろん、こちらでも新人には量を減らすとか、2、3日余裕のある仕事を渡すようにして力量をはかっていますが、やはり自己管理能力は必要です。できる方にはドンドンいれていきますが、決められた時間内で納品ができない方には次回から発注しません。

早さ、正確さ、継続して受けられるかがによって単価が変わる!

内職作業

作業者は台車を使い、作業用商品を運んでいきます

内匠さん:作業者によっては単価の差も大きく変わってくるんですよ。作業量もそうですが、台車で持っていく場合とガソリン代をかけて車で取りにくる場合も変わってくるし、1日で1万円以上の作業をこなす人もいれば、千円にもならない人もいる。仕事内容にもよりますが、その方の早さ、正確さ、毎日継続して受けられるかによっても単価は異なってます。

こちらも、得意先から高い金額で請けられた時は、少し高めにお願いをします。だから、場合によっては1ヶ月に7、8万円にもなる人もいるんですよ。ただ1ヶ月何万円にもなる人は、毎日仕事を請けてくれます。毎日取りにきて、時間通りに納品してくれます。そういう人は、60代、70代に多いですね。

若い人たちは、子どもの学校とかPTAとかで、しょっちゅう休んでしまいます。内職は作業が可能な人に渡しますから、両立ができない方は継続していくのは難しいのです。こちらも精一杯調整はしますが、これ以上は面倒見切れないよと話す場合もありますね。PTAの役員とか、しょっちゅう学校に行かないといけないようですが、なかにはそれでも頑張るお母さんもいます。そういう方は長続きしますね。

あと、お子さんが保育園や幼稚園に入る前のお母さんは、うちではお断りしています。理由は、作業に集中してお子さんに何かあったら嫌だから。内職は明日までに仕上げないといけないという世界なので、お子さんが熱を出しても、入院しても作業をしないといけない。

私も子どもを4人育てましたし親の介護もしました。だから、その大変さはわかりますし、早く仕事をしたい気持もわかります。だからなおさら、保育園や幼稚園にあがったらまた応募にきてね、と伝えています。お母さんは、子育てをしていくなかで必然的にあれもこれもやらないといけない、という状況がでてきます。お子さんが少し大きくなられたら、家事も育児も仕事も上手にこなすようになる方もいますから焦ってはいけません。