鮭に含まれる栄養素
鮭は残すところがないというほど身のほとんどを食べることが可能。その分、様々な栄養素を存分に摂ることができる優れものの食材です。■豊富なたんぱく質
鮭は消化・吸収のよい良質なたんぱく質が豊富です。エネルギーは、100gの切身(白鮭)で133kcal。脂肪は4.1gでこれはさんまの約1/6の量です。一般的に、養殖鮭より天然鮭の方が低脂肪と言われています。
■様々なビタミン類
鮭にはビタミンB1、B2、Dなどが多く含まれています。ビタミンB1は疲労感や倦怠感、食欲不振を和らげるのに有効なので、仕事で疲れた体にはもってこいの栄養素。 ビタミンB2は特に皮に多く含まれており、血圧やコレステロールの値を下げる働きがあるほか、胃腸を温め、消化器系を丈夫にするとも言われています。
鮭に含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を促進。鮭のクリームシチューがオススメ
他にも粘膜や皮膚の健康を守るビタミンAなど様々なビタミン類が含まれています。
■不飽和脂肪酸 EPA・DHA
鮭には不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。EPAは血管を広げて血液の流れを良くする働きがあるので動脈硬化や血栓予防、ガンの予防にも効果的であると昨今注目されています。DHAは脳の発達を助けるとともに最近では、アトピー性皮膚炎の治療や老人性痴呆症の予防にも効果的であると言われています。
鮭の選び方
スーパーや小売店で切り身を選ぶ場合、より良い品質のものを選ぶには以下のポイントが挙げられます。皮の色がきれいで、身が崩れていないものを選びましょう
- 肉がしまって弾力がある
- 皮と身が離れていない
- 皮の色がきれい
- 身に透明感があり崩れていない
- パックに入っている時はドリップ(魚から出る汁)が出ていない
冷凍の切り身を選ぶ時は、表面に霜のついていない形の整ったものを選びます。霜の多いものは一度解凍して再凍結させた可能性があります。
白鮭の身は白っぽいピンク色、銀鮭の身は薄い紅色、紅鮭の身は濃い紅色、キングサーモンは紅鮭よりも薄い紅色のものを選ぶと良いでしょう。
鮭は生でも食べられるのか?
とても鮮度が良さそうな鮭を買ってきた場合、「これは、刺身にして食べられるのでは? 」と思った方いらっしゃいませんか。残念ながら国産の生鮭は刺身にすることができません。鮭には寄生虫が多く潜んでおり、完全な冷凍処理を施して寄生虫を死滅させないと食べることはできません。家庭用の冷凍庫で施すのは難しいのですが「ルイベ」というものにして食することがあります。
昨今ノルウェーのサーモンを生で食べられるようになったと聞きますが、これは滅菌処理をした水環境の中で育った鮭に限ったお話。一般的に生に近い食感で食べられるのは、スモークサーモンがせいぜいといったところです。
鮭の保存方法
- 生鮭は2日以内に食べ切りましょう。3日以上保存する場合は、塩をふっておくか冷凍します
- 調理まで少し時間のある場合は、鮭の水気をよく拭き取り、固く水気を絞ったぬれ布巾もしくはペーパータオルなどをかけ、冷蔵庫に入れて表面が乾くのを防ぎます。
短時間であれば、固く水気を絞ったぬれ布巾などで、表面の乾燥を防ぐ
- 半日以上おく場合は、鮭の水気を拭き取ってから、ペーパータオルなどの上に切り身を並べラップフィルムをし冷蔵庫へ入れます
半日以上おく場合は、ラップフィルムをし乾燥を防ぐ
- 冷凍の際は1切れずつラップフィルムに包んで密封し空気に触れないように保存します(冷凍後は1~2週間で使い切りましょう)
空気に触れると冷凍やけを起こすので密封する
- 味噌漬けにすると、冷蔵で10日、冷凍で1ヶ月半程度保存可能です
- 冷凍した鮭は、食べる前日の晩に冷蔵庫に入れて自然解凍させてください
塩をふり熟成をすすめた新巻鮭のような塩蔵サケも、最近はうす塩のものが多く、日持ちがしないので早めに使い切るか、冷凍室で保存することをお勧めします。ただ、お店で売っている魚は冷凍魚を解凍したものも多く、再凍結をすると味が落ちるので、なるべく買いだめせず食べる分だけその都度買うことをお勧めします。