年金型生命保険の二重課税問題とは?

年金型生命保険の二重課税問題とは、主に夫が亡くなったときの死亡保険金などを、遺族が年金形式で受け取っている場合の税金の扱いについて問題視されていたことです。

具体的にみていきましょう。死亡保険金などを年金で受け取る際、年金受給権(年金を受け取る権利)の評価額(年金の残存期間で異なる)を計算し、この評価額が相続税(保険の名義によっては贈与税)の対象となります。その後、毎年受け取る年金の所得金額(年金額-支払い保険料)は所得税(一時所得)の対象になります。つまり、相続税と所得税の2つの税金の対象にするのは二重課税で違法ではないかということです。

この問題は、今年7月に最高裁が違法であるとの判決が下され、司法的な決着がつきました。そして国税庁は、この判決を受けて、法解釈を改め、所得税を納め過ぎている人にはその分を返すと表明しました。

10月に入ってから、この還付手続きの受付が開始されています。

ちなみに、年金受給権の評価額が相続税の対象になるのは従来通りですが、その後の年金に対する扱いが変更されます。変更後は、年金の所得税を「課税部分」と「非課税部分」に振り分け、課税部分のみが所得税と住民税の対象となります。課税部分は、1年目は税額が非課税で、2年目以降、課税部分が徐々に増えていく計算方法で算定します。

対象となるのはどんな人?

今回の還付の対象となる、つまり手続きが必要なのは、平成17年から21年に、下記の年金を受け取った人です。生命保険だけでなく、損害保険、旧かんぽ、JA共済、全労済の契約で同種の年金を受け取った人も含まれます。

●収入保障保険、収入保障特約などの死亡保険金を年金形式で受け取っている
●こども保険やこども共済の養育(育英)年金を受け取っている
●個人年金保険で、遺族が引き続き年金を受け取っている

これらの中には、「所得税が還付されるため税務署で手続きが必要な人」、「所得税は還付されないが、住民税・国民健康保険税が減額となるため市区町村で手続きが必要な人」がいます。国税庁のホームページには、どちらのケースに該当するか、またはどちらのケースにも該当しないかが「はい」「いいえ」のチャートで判断できる「必要なお手続き判定表」が掲載されています。心当たりのある人は、まずは、このチャートでどんな手続きが必要か、または、手続きは不要かを確認してみるといいでしょう。

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