住宅購入の費用・税金/住宅ローンのしくみと選び方

住宅ローンの返済期間の決め方

あなたは返済期間をどのように決めていますか。販売担当者が提案する35年返済を信じきり、他のプランを試すことを怠っていませんか。定年までに完済したい。15年で返済したい。など、自分の希望を明確にすることが大切です。返済期間が1年違うと支払うお金が変わります!?

大石 泉

執筆者:大石 泉

シングルのマンション購入ガイド

住宅相談の場面では、「販売センターで提示してもらった」という資金計画書を持参くださるケースがよくあります。ほとんどの場合、変動金利の35年返済で組んでありますが、「このプランにした理由は?」と訊くと「・・・」という答え。自分にぴったりのマンションを探そうと、あんなに情報収集したのに、資金計画の段になると途端に主張がなくなってしまいます。

お気に入りのマンションを見つけたのですから、資金計画も手を抜かず、自分にぴったりのプランニングをしてください。住宅ローン完済時に「借金もなくなったけれど、貯蓄もゼロになった」ではあなたの将来は不安だらけ。将来の豊かな暮らしを見据えた資金計画を意識してください。

返済期間と購入予算

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大切にしたいのは、自分の家計から無理なく払える「毎月返済可能額」

資金プランにおいて重要なのは、「毎月いくら払えるか」という毎月返済可能額です。家計をきっちり把握して収入と支出がわかれば、住宅ローン返済に回せる金額が試算できます。毎月返済可能額は、家計支出の無駄を見直すことである程度の増額が可能ですが、家計管理がきっちりできている場合は、収入が大きく増えることなどがない限り増額は見込めません。無理をした数値で住宅ローンを組んでしまうとたちまち家計が行き詰ってしまいます。家計からきっちりと試算した毎月返済可能額は、動かしてはいけないあなたの生命線です。

毎月返済額が固定されると、資金プランニングの方向性が明確になります。自分の毎月返済額を元に、金利が同じ場合で比較すると、借入額を多くしたいケースでは返済期間が長くなり、返済期間を短くしたいならば借入額は少なくなります。

(例1)毎月返済可能額10万円。金利2.5%(固定)の場合
返済期間35年⇒借入可能額2790万円
返済期間25年⇒借入可能額2220万円

返済期間と総返済額

返済期間を決める際、忘れてならないのが「総返済額」です。返済期間が長くなればなるほどトータルの返済額が大きくなり、その影響は絶大です。

(例2)借入額3000万円。金利2.5%(固定)の場合
返済期間35年⇒毎月返済額107,248円 ⇒総返済額 約4505万円
返済期間25年⇒毎月返済額134,585円 ⇒総返済額 約4038万円

上記の例でわかるように、返済期間が長いと総返済額が多くなりますが、毎月返済額は少なくて済むことがわかります。家計から試算した毎月返済可能額が11万円であった場合に、提示された35年返済プランで契約してしまうと、25年返済プランと比べると総額が約467万円も多くなってしまうのです。その代わり、毎月返済額には余裕ができます。日々の暮しの余裕を優先するか、短期返済にこだわり総返済額を減らすことを優先するか、あなたの考え方が大切です。

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