寺・神社/季節ごとのおすすめ寺・神社

てっぱんの舞台、尾道の寺めぐり(2ページ目)

NHKの連続ドラマ小説「てっぱん」の舞台の尾道は、坂と映画の町。そして寺町として知られます。国宝の浄土寺、眺めのよい千光寺などの「尾道七仏」をめぐり、港から船に乗って生口島にも行ってみましょう。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

まず行きたいのは、千光寺

七仏めぐりのコースの中から、特におすすめの寺をいくつかご紹介しましょう。まず行ってみたいのは千光寺です。ここは、尾道の寺の中でももっとも高いところにあり、何しろ眺めがよいです。それだけに、下から歩いて行くのはたいへんなので、ロープウェイで行きましょう。
千光寺本堂

本堂からは尾道の町と海が見える

謎の巨岩

てっぺんに光る玉がついている謎の巨岩

本尊千手観世音菩薩は聖徳太子の御作と伝えられますが、写真で見るところ、聖徳太子の時代よりは後に造られたものではないかと思われます。いずれにせよ、なかなかの美仏ですが、普段は拝めず、三十三年に一度ご開帳される秘仏です。

境内には巨大な奇岩が多く、くさりがついていて登れる「くさり山」や、昔、てっぺんに輝く玉があったといわれる(現在も夜になると光る玉あり)「玉の岩」などが名所となっています。そのほかにもいろいろと謎めいたスポットがある不思議な寺です。


天寧寺は羅漢さんが素晴らしい

14世紀に足利義詮が建立した寺です。国重文の塔婆(海雲塔)があり、本堂左手の羅漢堂には五百羅漢の群像がズラリと並んでいます。羅漢とは、お釈迦様の優秀な弟子たちのことで、人間なので、普通の僧侶の姿をしています。そのため、普通の仏像よりも姿形が変化に富んでおり、一体一体見比べるとなかなか面白いものです。
天寧寺羅漢

ずらりと並ぶ羅漢さんの像


一番規模が大きい、西國寺

天平時代の有名な僧、行基が創建したと伝えられています。奈良時代からある古い寺だということです。長さ2メートルもあろうかと思われるわら草履の仁王門がまず圧巻、長い石段を登っていくと「金堂(国重文)」があります。敷地は尾道の寺の中でもっとも広く、建物も雄大で見ごたえがあります。
西国寺山門

巨大わらじが目印の西国寺山門


国宝建造物がある、浄土寺

飛鳥の昔、推古天皇の御世の616年に聖徳太子が開いたと伝わっています。本堂と多宝塔は国宝。それ以外にも、多くの建物が重要文化財に指定されています。聖徳太子像や阿弥陀如来像など、優れた仏像も多く、もしも尾道の寺でひとつだけ行くなら、まずここを選ぶべきでしょう。
浄土寺

国宝の建物が並ぶ浄土寺

小津安二郎監督の「東京物語」、大林信彦監督の「ふたり」などのロケ地としても有名な、静かで美しい寺です。
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