寺・神社/季節ごとのおすすめ寺・神社

てっぱんの舞台、尾道の寺めぐり(3ページ目)

NHKの連続ドラマ小説「てっぱん」の舞台の尾道は、坂と映画の町。そして寺町として知られます。国宝の浄土寺、眺めのよい千光寺などの「尾道七仏」をめぐり、港から船に乗って生口島にも行ってみましょう。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

生口島に渡ろう

向上寺三重塔

向上寺の三重塔

「てっぱん」にも登場した尾道の港(あかりのおばあちゃんがトランペットを海に捨てた場所)から船に乗って1時間ほどの生口島にも渡ってみましょう。昔、大人気だった人形劇ドラマ「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった島とも言われるひょうたん型の小島です。

先年お亡くなりになった平山郁夫画伯の出身地としても有名です。生家がまだ残っており、平山郁夫美術館もあります。温暖な気候のため、レモンやみかんなど、かんきつ類の産地でもあります。

意外なところに国宝あり

お寺の見所は、まず向上寺。こんなところに本当に?と疑いながらやぶの中の道を登っていくと、見事な国宝の三重塔があります。室町時代の代表的な建造物で、彫刻など、他には見られない特徴があります。

究極のなんちゃって寺

しかし、なんと言ってもこの島最大の見所は、「究極のなんちゃって寺」とも呼ばれる(と呼んでいるのはわたしだけ?)耕三寺です。大阪で成功した大金持ちの実業家が昭和10年から建て始めた寺で、著名な神社仏閣の建物をモティーフにした数々の華麗なる建造物が見ものです。
耕三寺の門

東照宮の陽明門を模した孝陽門

日光東照宮の陽明門を模した孝養門、宇治平等院の鳳凰堂を模した本堂など、どれもが、本物よりもはるかに装飾が多く、派手ったらありません。しかし、金にいとめをつけずに造られたもので、優れた建築家や職人さんの作品でもあるため、決してちゃちではなく、すべてが一級の芸術品となっています。
耕三寺内部

建物内部もこんなにきらびやか

買い集められた古今の美術品も侮れません。仏像も、かつて興福寺にあったものなどがさりげなく祀られていたりして、いちいち驚きます。人間、お金と志さえあれば、ここまで立派なものを作り上げられるんだなぁ。
未来心の丘

真っ白な「未来心の丘」

一番高いところにある「未来心の丘」という巨大な彫刻作品も見逃せません。イタリアのカラーラから運ばれた真っ白い大理石を大量に使ったこの不思議な場所からは、青い空と瀬戸内海がきれいに見渡せます。

1200円と、決して安くはない拝観料ですが、それだけの値打ちは十分。尾道に行ったら、ぜひここにも足を伸ばしてみてください。

耕三寺のホームページ

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