景気悪化で高まる副業ニーズ
「残業ができなくて手取りが減った」「前と同じ仕事なのに時給が下がった」「仕事がないので、そもそも収入がない」……。今、こんな話をあちこちで聞きます。景気や企業の業績に応じて給与に変動があるのはやむをえないと思いつつも、そう簡単に割り切れないのも現実。収入を増やしたい人も多いのではないでしょうか?先日、リクルートワークス研究所が発表した「日雇い・短期派遣労働者の就業実態調査」も、この感覚を裏付けるような結果でした。というのも、日雇い派遣で働く人の中で1番多いのは、「副業として日雇い派遣を活用している人」だったのです。実に全体の35.7%が副業。「正社員+日雇い派遣」「自営業・独立+日雇い派遣」「パート・アルバイト+日雇い派遣」など、就業形態の組み合わせも多様です。
日雇い派遣で働く人の1/3以上が「副業」 出所:リクルートワークス研究所「日雇い・短期派遣労働者の就業実態調査」
副業で得られる収入はいくら?
そもそも副業によってどれくらい稼ぐことができるのでしょうか?労働政策研究・研修機構が行った「副業者の就労に関する調査」をみてみましょう。本業が派遣の場合、副業をしている日数は、1カ月、「5日未満」「5~10日未満」がぞれぞれ3割以上。副業による1カ月の収入は、「5~10万円」が最も多く、「2~3万円」「3~4万円」と続きます。
一方、本業が正社員の場合は、副業をしている日数は本業派遣とそれほど変わらないにもかかわらず、副業による1カ月の収入は、「20万円以上」が4割以上、「5~10万円未満」「10~15万円未満」が2割弱と、高い傾向にあります。本業が正社員の場合、会社経営や専門性をいかしたフリーランスの仕事を副業としていることが多いため、収入が高くなるのです。
本業の就業形態によって、副業での収入が異なる 出所:労働政策研究・研修機構「副業者の就労にかんする調査」