「レンタルどこでもドア」の出現
どこでもドアは高価なものだろうから、きっとすべての人が持てるわけではないはずだ。何せ物理的な距離をゼロにして、時間を短縮する。(あるいは、創造する)この技術はいったいいくらになるのかというと高級車1台分では到底足りないだろうし、おそらく高級マンションよりも高いと思う。
ということはここで考えられるのが、「レンタルどこでもドア」だ。あるいは、会社に1つあって、それを社員が共有する。取引先に行くにしても、帰宅するにしてもどこでもドアを使えばいい。
でも、ここで問題が1つ。みんなが1つのどこでもドアを使うとしたら、自分が使ったあとは誰かがそれを使うことになる。ということは「行く」という行動であればどこでもドアは使用可能だが、「戻る」場合にはどこでもドアは使えなくなるのだ。社員が自宅から会社に来るまでには電車や車などの移動手段を使わなければならない。仕事で使う場合でも、訪問した先にどこでもドアがなければ同様に一般的な移動手段を使うことになる。
もちろんどこでもドアがスタンダード化され、大量生産が可能となって価格も安くなれば、オフィスや自宅への標準装備化も視野に入れることができる。しかしこうなると、移動時間と距離に対しての感覚の麻痺、そしてどこでもドアの価値の下落が起きる可能性がある。イメージとしては、今のデフレスパイラルに似ているような…。
どこでもドアが実現したときの経済は?
ただし、どこでもドアが実現した場合の経済へのインパクトが大きいことは間違いない。これはいい意味でも悪い意味でも。
いい面だけを見ていれば、これを作ることに成功した会社は相当儲かる。莫大な利益を得られるだろう。もしかしたら、マイクロソフト以上かもしれない。
航空会社も大打撃!
一方で、交通に関係する会社は致命的なダメージを受けることになるのだ。航空会社、鉄道会社、バス、タクシーなど、その範囲は広すぎるので、そうなるときっと競争が激化してサービスの向上につながるはず。これは利用者としてはいいのかもしれないが、当事者にとってはけっこう辛い局面になるのではなかろうか。
ただ、先ほども書いたが、時間の投資、創造、効率化という意味では非常にインパクトがあるので、経済効果としてもそこそこあるような気がしている。仮に2割多くのことに取りかかれるのであれば、その分経済も伸びるだろう。どこでもドアを正しく使用することによって、日本経済は回復する可能性は極めて高い。
とまぁ、どこでもドアが実現したときのことを考えてみた。あくまで妄想だが、こういう形で経済を見たり、未来を夢見るのもいいのではないだろうか。たぶん、こういう前向きな思考をすることで、何かしら新しい発想に出くわす。それが実現できるかどうかは別として、明るい未来を想像することが経済回復の第一歩かもしれない。
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