睡眠/眠気のコントロール法

カフェインが効くまでの時間は? 効果的な眠気対策に知っておくと便利な目安

【医師が解説】眠気覚ましの強い味方・カフェインが効くメカニズムと、カフェインが多く含まれている飲料や食材、上手なカフェインの摂り方について解説します。カフェインが効くまでの時間も考えて、効率的に摂取しましょう。

坪田 聡

坪田 聡

睡眠 ガイド

医師

日本医師会、日本睡眠学会所属。ビジネス・コーチと医師という2つの仕事を活かし、行動計画と医学・生理学の両面から、あなたの睡眠の質の向上に役立つ情報をお届けします。快眠グッズや気になる研究発表など、睡眠に関連する最新情報も豊富にご紹介します。

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カフェインはなぜ眠気覚ましに効くのか

眠気覚ましのカフェインは効くまで何時間?

眠気覚ましのカフェインは効くまで何時間?


目覚めに一杯、あるいは退屈な会議のときに一杯と、眠気覚ましの飲み物といえば、まずコーヒーやお茶などのカフェイン飲料が思い浮かびます。では、どのようなメカニズムでカフェインが眠気を取ってくれるのでしょうか?

脳の中で働く睡眠物質のひとつに「アデノシン」があります。アデノシンは、「GABA作動性神経」を通じ、脳の活動を抑えたり、視床下部にあるノンレム睡眠の中枢に働いて脳全体を眠らせたりする働きがあります。このため、アデノシンが脳に溜まってくると眠気が強くなってくるのです。

カフェインは、アデノシンが細胞に作用することを邪魔して眠気を減らします。また、脳の「報酬系」という部分を刺激するので、起きているのが楽しく何となくハイな気分にして覚醒度を上げてくれます。

<目次>  

カフェインが効くまでの時間はどれくらいか

カフェインを摂取すると、一部は胃から、残りの大部分は小腸から速やかに吸収されます。吸収の速度は非常に早く、口から入ってから約45分後にはそのほとんどが吸収されます。血中濃度が最大値(ピーク)になるまでの時間は、個人の体質や胃の内容物によってばらつきがありますが、一般的に30分~2時間程度とされています。

このスピードは飲料の温度によっても変化します。温かいコーヒーの場合、摂取後30分~1時間ほどで血中濃度が最大になりますが、冷たいアイスコーヒーでは、消化管の血管収縮や胃腸の動きが緩やかになる影響で、最大値に達するまで1~2時間ほどかかる場合があります。

摂取したカフェインの血中濃度が半分に減るまでの時間(半減期)は、健康な成人の場合で約3時間~6時間です。この時間は個人差が大きく、特に代謝機能や生活習慣によって左右されます。例えば、肝機能が未発達な乳幼児や、代謝能力が低下している高齢者、また妊娠中の女性などはカフェインの分解に時間がかかるため、効果がより長く続く傾向があります。

「若いからすぐ覚醒効果がなくなる」ということはなく、むしろ喫煙習慣がある人は代謝が早まり、避妊薬(ピル)を服用している人は代謝が遅くなるなど、年齢以外の要因も大きく関わります。就寝前の摂取を控える際は、この「4時間~6時間」という持続時間を1つの目安にするとよいでしょう。
 

妊娠中・授乳中のカフェイン摂取

妊娠初期は、ホルモンの関係で眠気が強くなります。また、出産後は赤ちゃんの睡眠・覚醒パターンに振り回されて寝不足になりがちです。しかし、妊娠や授乳中のカフェイン摂取は控えてください。

カフェインは胎盤を通して胎児にも届きますし、カフェインの成分は母乳の中にも出てしまいます。胎児や新生児、乳児は肝臓での代謝機能がまだ十分ではないため、カフェインの効果が強く長く続いてしまい危険です。
 

カフェインを多く含む飲み物・食品……コーヒー、チョコなど

コーヒーなどカフェインが含まれるもの

コーヒーなどカフェインが含まれるもの


カフェインは、コーヒー木や茶木、カカオ木に含まれています。ですから、これらの植物を原料とした製品には、多かれ少なかれカフェインが含まれています。

また、例えばコーヒーでも、豆の産地や種類、お湯の温度、抽出時間、抽出量でカフェインの量が違ってきます。主な飲み物のカフェインの含有量は、次のとおりです。

■コーヒー 1杯
  • ドリップ 84~112mg
  • インスタント 60~71mg
  • エスプレッソ 62mg
  • カフェインレス 1~4mg

■紅茶 1杯
  • ティーバッグ 27~40mg
  • 茶葉 8~30mg
  • インスタント 20mg

■ソフトドリンク 350mL
  • マウンテンデュー 56mg
  • コカコーラ、ダイエットコーク 46mg
  • ペプシコーラ 38mg

■エナジードリンク 1本 100mg~150mg以上

■医薬品
  • 眠気防止薬 100~200mg
  • 解熱鎮痛消炎配合薬、総合感冒薬、鎮咳去痰配合薬、鼻炎用内服配合薬、乗り物酔い防止薬 1回分 20~50mg

コーヒーやお茶にはカフェインが含まれていることを知っていても、チョコレートやココア、コーラ、栄養ドリンクは見落されがち。チョコレートやココアは、コーヒーに比べてカフェインが少ないですが、興奮・覚醒作用があるテオブロミンという物質も含まれています。夜更かしな子どもや夜にお菓子を食べる習慣がある人は、これらのものを過剰に摂っていないかチェックが必要。これらに含まれるカフェインとテオブロミンの量は、次のとおりです。

■チョコレート(1オンス:28g)
  • ブラック: 5~35mg(カフェイン)、 150~300mg(テオブロミン)
  • ミルク: 1~15mg(カフェイン)、75~150mg(テオブロミン)
  • ホワイト: 1~5mg(カフェイン)、15~25mg(テオブロミン)

■ココア(5オンス:150mL)
  • ココア:2~20mg(カフェイン)、75~150mg(テオブロミン)
  • ミルクココア:1~15mg(カフェイン)、50~100mg(テオブロミン)
 

上手なカフェインの摂り方

効果的なカフェインの取り方

効果的なカフェインの取り方


睡眠物質のアデノシンをブロックすることで、カフェインは眠気を覚ましてくれます。そして、作業の成績も上げてくれます。この働きは、覚醒の水準が低いときや疲労が激しいときに特に高い効果を発揮されます。

ですから、朝目覚めたときにコーヒーやお茶を飲むことは、新しい1日をスッキリした気分で始めるために理にかなっています。

コーヒーブレイクやティータイムにカフェインを摂ると、日中の眠気を減らしてくれます。昼寝の後の睡眠慣性(まだ眠っていたいと思う気持ち)を早くなくすためには、カフェインを摂るタイミングが大切です。

夜の睡眠に悪影響を及ぼさないために、昼寝は30分以内が勧められています。一方、カフェインを摂ってから覚醒効果を発揮するまで、30分のタイムラグがあります。ですから、昼寝を30分で切り上げて、しかもスッキリと目覚めるためには、昼寝の前にカフェインを摂るのがベストです。

眠りたくないから、あるいは眠る時間がないからといって、コーヒーをガブガブ飲むのは考えものです。毎日4杯以上のコーヒー(カフェインにして400mg以上)を飲み続けると「カフェイン中毒」になることがあります。この状態になると頭がスッキリするという段階を超えて、不眠や不安、せん妄、痙攣、不整脈などに苦しめられてしまいます。

甘い缶コーヒーをたくさん飲んでいる人は、「缶コーヒー症候群」になる危険性があります。この病気では、糖分の過剰摂取による急激な血糖値の上昇と、その後のインスリンの過剰な分泌による低血糖(グルコーススパイク)が問題です。そして、肥満になることで、のどに付いた脂肪によって起きる睡眠時無呼吸症候群がさらに日中の眠気を増悪させる、という悪循環に陥ってしまいます。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。
 
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