化学農薬を使わないための基礎知識

化学農薬は基本的に、「発生してしまった害虫を殺す」とか、「かかってしまった病気を治す」というように、対症療法的に使用します。普段から「害虫が大量発生しない」「病気にかからない」ようにしておくことが、化学農薬を使わないための基本的な考え方となります。それでは、具体的に説明していきましょう。

環境にあった品種を選ぶこと

植物には、それぞれ生育に適した環境があります。例えば、トマトは南米のアンデス高原が原産地なので、その環境に近い状態で育てると、とても美味しくできるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

日向が好きな植物を日陰で育てたり、乾燥が好きな植物を湿っぽい状態で育てたりしてしまうと、どうしても病気にかかりやすくなってしまいます。

それぞれの植物の性質は、種の袋や苗のタグに表記されています。品種を選ぶ際には、自分の菜園の環境を思い浮かべて、その環境にあった品種を選びましょう。

植物を健康にガッチリと育てること

水やり
「乾いたらタップリ」が水やりの基本
その環境に合う品種を選んだら、次は、その植物を健康に育てることです。そのポイントは水やりにあります。水やりは、「1日1回○リットル」ということではなく、「乾燥したらタップリあげる」というのが基本です。

植物を支えている根は、水分を求めて伸びていきます。毎日、土が湿った状態だと、特に根を伸ばす必要がないので伸びていきません。逆に、乾燥した状態になると、遠くからでも水を得ようとして根は伸びていきます。あえて乾燥した状態をつくり、枯れる寸前にしっかりと水をあげるということを繰り返していくと、根がしっかりと張った健康な植物に育っていくことができます。

植物は「イジメ気味」に育ててあげると、良く育つと覚えておいてください。

病害虫の発生初期に対処すること

環境に合う品種を選んで、健康に育てることに気を配って……それでも夏は高温多湿になる日本では、病気や害虫が発生してしまうこともよくあります。

そんな場合、スグに対処すれば被害をくい止めることができます。例えば、日々の水やりで、「ちょっと色がおかしいな」と感じたら病気の兆候。「この葉っぱだけ、ヘンな形になっているな」と思ったら、そこに害虫の卵が産みつけられている可能性があります。病気が発生していても、その葉っぱだけ取り除けばそれで済みますし、害虫も、たまごの段階で処分してしまえば、発生を抑えることが可能です。

そのためには、日々の手入れの際に変化に気づくよう、注意深く見る習慣をつけること。また、ちょっとした変化に気づいたら、葉を裏がえしたり、付け根などの細かい部分をよく見るようにしましょう。

作物を健康に育て、もし害虫が発生してしまったら、自分が天敵になった気持ちでやっつけてみる……そんな作業の繰り返しが、野菜をさらにおいしくしてくれることでしょう。

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