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猫に必要なワクチン(2ページ目)

猫を感染症から予防するためにはワクチン接種が必要です。猫のワクチンの種類、効果のある感染症、ワクチネーションプログラムなどを紹介します。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

 

ワクチン接種の時期(ワクチネーション・プログラム)

一般的に獣医師が推奨するワクチン接種の時期(ワクチネーション・プログラム)は、1回目が生後8週頃、その1ヶ月後の約12週頃に2回目を接種し、その後は年1回とされています。初年度に接種したワクチネーション・プログラムで得られた免疫は、平均で1年程度効果がありますが、徐々に抗体価が下がっていきます。そのため翌年からは年に1回の追加接種を行い、感染に対する免疫力を上げる必要があります。フェロバックスというワクチンは、追加接種を1年ごとではなく3年ごとで大丈夫としています。どのメーカーのワクチンをどのように接種するかは、獣医師とよくご相談ください。

最初のワクチンは2回

母猫の初乳を飲んだ子猫は移行抗体をもらいますが、この免疫抗体は生後8週前後で徐々に切れていきます。移行抗体が切れる時期は子猫によってまちまちで、例えば同腹の兄弟でも1頭は7週目に切れ、別の1頭は9週目に切れるかも知れません。移行抗体がいつ切れるかを検査で調べることはできますが、これはあまり現実的な検査ではありません。移行抗体がいつ頃切れるかを知るためにはまず移行抗体がどのように下がっていくかを調べなければならず、そのためには複数回の検査が必要です。その他、移行抗体が長く効果を示すウイルスとそうではないウイルスがあるので、それをひとつひとつ調べなければならないからです。もし7週目で切れてしまった子猫に8週目でワクチンを接種すれば抗体がつきますが、9週まで移行抗体を持っている子猫にはワクチンの抗体が効果を上げることができません。よって平均的に移行抗体が少なくなり始める生後8週頃に1回、そして抗体を確実なものにするために12週頃にもう1回追加接種をする必要があります。

例えば生後12週を過ぎていると思われる猫を保護したら、ワクチンは1回でもOKですが、多くの獣医師は抗体を確実なものにするために3~4週後にもう1回のワクチン接種を勧めるでしょう。12週齢以上の子猫に追加接種を行うかどうかは、獣医師とご相談ください。1年後からは、他の猫同様毎年1回接種を行ってください。また、保護した子猫が初乳を飲んでいないかも知れないと思われたら、生後4週からワクチンを開始し、4週ごとに3回接種した方がよいでしょう。ワクチンによる抗体ができあがるまでは、他の猫との接触に十分注意してください。

何かしらのウイルスに感染した恐れがあったり感染リスクが高い状態でワクチンを接種するときは、同時に抗ウイルス効果のあるインターフェロン治療を行うと効果があることがあります。感染リスクがある場合は、獣医師にご相談ください。

 

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