クラフトに触れながらのんびり過せる緑の広場
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手作りお菓子の販売や音楽演奏もやってます。 |
人も多く賑わいをみせていますが、全体に和やかな空気が漂っているせいか、混雑特有のイライラやわずらわしさはありません。 ひとつひとつのブースを落ち着いた気分でゆったり眺められます。 作家自身がブースで展示を行っているので、気軽に質問もできます。 ゆっくりじっくり作品を見て、作家とのおしゃべりを楽しみながら、 一日過して丁度いい広さ。多すぎて疲れることも、物足りなく感じることもなく、 程よい感じで回れる大きさなのです。 また、ここでの展示の特徴は、できるだけ「作る工程」もわかるようにすること。 織物作家が糸巻きで糸を紡ぐ様子を実演したり、 陶芸や木工の作家たちが、制作に使う道具を展示したり、 作っている様子の写真をファイルで持参したりして、 より分かりやすくものづくりの解説を行っていました。
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ワークショップも盛ん。常に人がいっぱいです。
会場内ではワークショップも行われました。 糸ノコで木を切ったり、色づけしたり、粘土をこねてかたちを作ったり。 やる気いっぱいの小さな子供たちが結構多く参加していることも印象的でした。
さて、今回の出展作家は総勢70名を越えており、なかなか全部はご紹介 できないのですが、 やや独断で個人的に気になった作家さんをいくつかご紹介いたします。
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ガラスに日差しが当ってきれいです。
青空に恵まれたこの日、太陽の光がきらきら反射して、一層魅力を増した ガラス器たち。左はstudio prepaの平 勝久さん。 芝生に点々と並んだガラスたちは、まるで芝生に咲いたお花のよう。 実はこれ、展示のための準備中風景で、本当はこの後全部棚に並べる予定だっ たようですが・・・。このままでも十分に楽しいディスプレイ!
右はキタムラマサコさん。様々なガラス瓶の胴の真ん中を切って、 口の部分を下にひっくり返し、フラワーベースにリメイク。 どこか愛嬌のあるかたちです。 細い線で愛らしい模様が付いていたり、細やかな作業がなされています。
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大らかで自由な作風。思わず笑みがこぼれます。
ぽっこりとまるくて肉厚なフォルム。のびのびと元気な色使い。 陶芸家・厚川文子さんの作品は、自由で大らかで明るくて、 見ているだけでワクワクするような楽しさがあります。 昔の土器のような素朴な質感ですが、意外と使い勝手の良さそうなかたち。 ひとつあるだけでもインパクトがあり、テーブルの上が賑やかになりそうです。
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青みがかった、透明感のある繊細な白。
こちらは大阪の陶芸家・福岡彩子さん。白い色の中にうっすらと青み があり、宇宙を見ているような気分の器です。 ふんわりと柔らかな質感で、絶妙に繊細な薄さがきれい。 眺めているとじわじわと癒されます。
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シンプルでほのぼのとしたかたち。
金工作家の相原清子さん。お鍋やお玉、カトラリーなどが賑やかに並んでいます。 ころんとまるみのある、少しおどけたフォルムが乙女心鷲掴み。 こんな道具を毎日キッチンで使ったら、きっと楽しくて仕方がないでしょう。
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木そのものの表情がつくづく美しい。
木工作家・山本美文さんの作るものは究極にシンプルでシャープ。 木目の美しさを存分に味わえる、スタイリッシュなお盆や器が並んでいました。 しばし言葉を忘れて、じっと見入ってしまいます。
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布やフェルトの小物たち。
左は布の織り、染めを行う新藤佳子さん、右はフェルト作家の宮崎桃子さんです。 素朴で飾らないデザインの中に、作家それぞれの温かな思いが伝わってきます。 思わず触れて、その手触りを確かめたくなります。
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上左は陶芸家・市川孝さん。シンプルで心配りのあるかた、 使いやすさ抜群の実用性は、料理好きの 間でも人気の高い器です。
上右は木工作家・川端健夫さん。素朴な彫り跡を残し、ほっと人を 和ませる豊かな表情があります。
下左は松本寛司さん。松本さんは実用的な道具類と、 オブジェのようなちょっと不思議なアート作品を展示していました。 どれもみんなデザインに一捻りあるのです。
下右は吉田次朗さん。 吉田さんもオブジェ的なアート作品が多く、なぜか星新一の小説を 思い出してしまいました。 宇宙とか星座など近未来を匂わせつつ、絵本のような童話のような幻想的な 雰囲気があって、見ていて飽きない作品たちです。
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