埼京線
便利さ急上昇、大規模物件が目白押し
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開業から20年余。どの駅周辺でも住宅が増え、市街化されてきた埼京線 |
1985年に赤羽、大宮間で開業、昨年20年を迎えた埼京線。その翌年には新宿、11年後の1996年には恵比寿、そして2002年には大崎へ延長、新木場までの東京臨海高速鉄道りんかい線との相互直通運転が行われるようになりました。わずか20年余で池袋、新宿、渋谷、恵比寿といったターミナルをつなぎ、山手線に告ぐ輸送量を誇る、大動脈となったわけです。
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さいたま新都心の最寄駅でもある北与野を快速停車駅にという要望も根強い |
当然、その進化に合わせて周辺も大きく変わってきました。もっとも、変化が目覚しいのは京浜東北線さいたま新都心駅と隣接する北与野でしょうか。埼玉県の合同庁舎をはじめ、オフィスや商業施設、アリーナにシネコンを併設する大型ショッピングモールなど、駅周辺は様変わりといってもいいほどです。それに合わせて、毎年のように、話題の大型物件が登場、現在も300戸、400戸といった規模の物件が建設されています。
その割には、生活に、遊びに便利な場所であるため、過大な共用施設を作らず、管理費や修繕積立金を抑えた、堅実な物件が多いのも特徴。金利が上昇、ローン支払い増の危険がある時代には、無駄な出費のない物件というのも、賢明な選択かもしれません。
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終電時間が京浜東北線より1時間近く早いのは、いささか不便な点 |
後からできた路線のため、すでにあった路線との接続や駅の位置など、不便な部分も少なくありませんが、年々、そうした不便さは解消されてきています。たとえば、渋谷駅。現在は他線のホームから異常に離れた場所にありますが、現在進められている東京メトロ13号線の開業に伴って移設、地下化される東急東横線渋谷駅の跡地を一部利用、山手線ホームと並行される予定です。まだまだ便利になる可能性のある沿線、それが埼京線なのです。
南武線
環境良し、複数路線へのアクセス良しの穴場沿線
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大型商業施設に昔ながらの商店街なども混在する溝の口駅前 |
1927年に開業した、歴史ある沿線ながら、東京に住んでいても、乗ったことのない人が多いのが、この南武線。中央線立川から京王線(分倍河原、京王稲田堤)、小田急線(登戸)、東急田園都市線(溝の口)、東急東横線(武蔵小杉)と交差、京浜東北線川崎を50分強で結んでいます。ターミナルから東西に延びる沿線が多い首都圏では、それらの路線を南北方向につなぐ南武線は貴重な存在です。
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この沿線の商店街は気取らない雰囲気が特徴。物価も安い |
乗り換えは必要ですが、こうした人気沿線を複数利用できるのがこの沿線の魅力。乗り換えがあるだけで、価格はぐっと下がりますから、ほんの少し、利便性を我慢すれば、手ごろな物件が増えてくるのです。それほど残業のない、定時で仕事が終わる人や、仕事場があちこち変わる人、あるいは自宅で仕事をする人なら、この沿線は穴場といえるでしょう。ただし、南武線自体の本数が少ないため、他沿線との乗り継ぎはそれほどうまく考えられていないようです。
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多摩川に程近い登戸駅。駅舎の改良工事が進められている |
また、もともとは多摩川の砂利を運ぶために作られた路線のため、多摩川近くを走る地域が大半で、自然に恵まれた環境も魅力のひとつ。沿線では今でも多摩川梨が名物です。ハイテク企業が多く立地しているのは分かりますが、なぜか、ギャンブル施設も多く、一説にはギャンブルラインとも。こうした、地味な印象を払拭しようと、川崎市では沿線のイメージアップ事業を始めています。
この沿線では規模の大きなマンションが多いのが特徴。駐車場も安いので、環境とあわせて考えると、アウトドア派にもお勧めかもしれません。
番外編:東急東横線日吉
横浜市営地下鉄4号線開通で住宅エリア拡大?
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地下鉄の地図、工事の進行状況などを記した日吉駅前の掲示板。立ち止まって眺める人も多く、関心の高さがわかる |
まだ開通していないものの、期待したいのは横浜市営地下鉄4号線。グリーンラインと呼ばれるこの路線は横浜線中山駅~東急東横線日吉駅間を21分で結び、平成19年の完成を目標としています。この路線が開業すると、東急田園都市線方面、新横浜方面へ出やすくなりますし、もうひとつ、東急目蒲線も2007年度中に日吉まで延伸する予定。
となると、日吉周辺で、これまで駅から遠いことがネックで開発されてこなかった地域でのマンション供給が増えるはず。特に日吉本町駅、高田町駅など、日吉から数分以内の駅では、すでに計画も始まっているとか。価値の落ちにくい駅近物件を狙うなら、開業前から目をつけておくほうがいいかもしれません。
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