地元の人しか知らないけれど、実は住みやすい街。そんな街のひとつとしてご紹介したいのが、ここ、北浦和。駅のすぐ近くに公園、美術館などがあり、商店街とスーパーが共存するバランスの良さは、ゆったりした暮らしをしたい人にはぴったりです。
古くは中山道の宿場町、
関東大震災後には画家、詩人が住んだ文化の街
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駅東口のすぐ脇を走る旧中山道。通り沿いに郵便局、図書館などがある |
浦和は元々中山道の宿場町として栄えた街。その後、関東大震災後には多くの画家、文化人がこの地に移り住み、「鎌倉文士に浦和画家」なる言葉もあったとか。実際、うらわ市立美術館には高田誠、寺内萬冶郎などの浦和ゆかりの画家たちの作品が並び、その中には画家の池田満寿夫や写真家の細江英公などに大きな影響を与えたという瑛九の作品も。詩人の立原道造も、友人たちの多い、現在は公園になっている別所沼ほとりに別荘を建てることを夢見ていたそうです。
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東口にはその名も浦高通りがあり、バス通りにもなっている |
こうした歴史から文化都市としての印象の強い浦和。もうひとつ、そのイメージに貢献しているのが、県下屈指の名門校、浦和高校や浦和第一女子高校などの存在。また、北浦和にある、常盤小学校は県や市から何度も「良い歯の学校優秀校」として表彰を受けたり、公開授業研究会が数度に渡って開かれたり、「学力向上フロンティアスクール」の指定を受けるなど、児童の健康指導や教育に高い評価を受けています。
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商店街の旗、歩道の手すりなど随所にレッズのシンボルマークが踊る |
また、最近ではJリーグの浦和レッズの街としても知られ、北浦和駅東口にはキャラクターグッズなどを扱うレッズスクエアが。街中に翻る旗やモニュメントにも赤い文字が躍っています。
商店街、スーパーはもちろん、
公園、美術館、図書館まで揃う駅周辺
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駅東口を降りると、左手にレッズスクエア、その脇が平和通り商店街の入り口。駅前には客待ちのタクシーが常時並んでいる |
さて、今回取り上げる、北浦和は京浜東北線で大宮から3駅。県庁所在地である浦和の隣駅にあたります。2006年9月に開業70周年を迎えたこの駅は、東京駅からなら直通で40分弱、赤羽で埼京線に乗り換えれば、新宿までやはり40分前後。近すぎず、遠すぎずといった場所というところです。
西口、東口それぞれに多様、表情の異なる北浦和
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北浦和では西口、東口にそれぞれ人気の高い住宅街が広がる |
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平和通りで見かけた蔵のような外観の喫茶店。歩いていると、意外にしゃれた店が見つかる |
この街の魅力は駅周辺に多様な施設が揃っていることです。例えば、東口には、平和通り商店街、共栄会、北浦和GINZAレッズなる商店街があり、クイーンズ伊勢丹、マルエツなどのスーパーも共存しています。旧中山道沿いには飲食店、美容室などと並んで北浦和図書館、北浦和駅前郵便局も。古い街らしく、駅から2~3分の場所に銭湯があったりもしますし、小さいながらもスナックなどが並ぶ飲み屋街もあります。
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ボテロの彫刻が出迎えてくれる埼玉県立近代美術館。自由に座れる椅子のコレクションで有名 |
西口に目を転じると、ロータリーの向こうには所沢まで続く、日本一長いケヤキ並木があり、その左手には県立近代美術館を擁する埼玉県北浦和公園があります。公園内には楽器のモニュメントのある噴水やイタリアンレストランなどもあり、木陰のベンチでは読書を楽しむ人、お弁当を広げる人の姿が。公園の右手には北浦和西口ふれあい通り、西口銀座商店街などが広がり、24時間営業のスーパー、サティも。また、国道17号沿いには埼玉社会保険病院があります。
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商店街の中には八百屋、豆腐屋、製麺屋に和菓子屋さんなどが。自家製の商品を売る店が多いのが特徴 |
駅周辺に商店街やスーパーがあるのは当然ですが、公園や美術館は珍しいはず。また、活気ある街のためには、きれいに整備された遊歩道だけでなく、多少猥雑な雰囲気の飲食店街があって、人が集まることも大事。その意味で、この街はバランスのいい、住んで面白い街といえるのではないでしょうか。
では、気になる住宅の相場はどうなっているか、次ページで見ていきましょう。