全国的に有名な吉祥寺の隣にあるせいか、どうも、三鷹には地味なイメージがあります。しかし、都心から近いにもかかわらず、緑の多い街並には都会と郊外、それぞれの良さが程よくミックスされており、住み心地の良さを感じさせてくれます。実際のところ、どんな場所なのか、詳しく見ていきましょう。
中央線を中心に東西線も利用可能
座って通勤できる始発駅
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早朝、深夜を除けばほとんどが三鷹始発になる中央線/総武線(各駅停車)。本数も多く利用しやすい |
JR中央線快速で新宿から13分。三鷹は同線に加え、中央線/総武線(各駅停車)、東西線(東葉高速鉄道と乗り入れ)、合わせて3線が利用できる街です。特にうれしいのは、中央線/総武線(各駅停車)の始発駅であり、座って通勤できるという点。当然、終電も遅く、東京駅12時35分発。新宿駅からなら1時まで電車利用で帰れます。
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東西線直通が利用できるのは朝の通勤時間帯と午後3時以降が中心 |
東西線は元々中野までですが、本数は限られていますが、三鷹までの直通があり、始発も出ています。これを利用すれば大手町まで直通で35分ほど。もっと早く行きたい場合は、中野まで中央線利用で、東西線に乗り換えれば30分弱です。
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この地域は平坦なので、吉祥寺まで自転車利用という人も見かける |
また、隣駅吉祥寺で京王井の頭線に乗り換えれば、渋谷までは20分弱。駅から30分~40分見れば、たいていのオフィス街に着くという便利なロケーションというわけです。
駅のすぐ前から広がる緑、
ここは便利さと環境の良さが同居する街
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歩いているだけで花見ができそうなほどの見事な桜並木。夏は木陰が涼しい |
しかし、三鷹の魅力はそうした便利さだけではありません。たとえば、駅の北口、武蔵野市側に降りてみましょう。すると、駅前には緑濃いロータリーが広がり、並木のある通りが見えます。通りを歩いてみると、都会的な雰囲気のケーキショップがあり、レストランがあり、その隣には昔ながらの豆腐屋さんも。駅から少し離れると、桜並木が多く、季節にはさぞやと思う雰囲気もあります。つまり、都会の便利さ、快適さと同時に、豊富な自然も同時に味わえる、双方のいいとこどりをしている場所が、ここ三鷹なのです。
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武蔵野市役所。向かいには総合体育館があり、周辺には公園も |
2つの顔という意味では、北口が武蔵野市、南口が三鷹市と、2つの自治体にまたがっている点も面白いところ。まず、北口側ですが、ここは武蔵野市の市役所や市民文化会館、総合体育館など、市の行政の中心地でもあり、スポーツや文化が身近に楽しめる場所。前述したように、桜並木が多く、毎年春にはさくら祭りも行われます。
三鷹駅北口側に登場したツインタワー。敷地内には商業施設も入っており、道路も整備された(クリックで拡大)
北口側では2010年春に再開発で2棟のタワーマンションが完成、現在、その足元周辺から市の文化会館へ向かう「かたらいの道」の整備が進められています。このエリアはこれまで古い低層の建物が多い地域でしたが、今後、少しずつ建替えられるなどで変わっていく予定。大規模なマンションができ、住民が増えたことで、地元の商店街の賑わいも増しているようです。
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駅南口を降りると、飲食店や商業ビルの並ぶ通り、バスロータリーなどが |
南口、三鷹市側に降り立つと、目の前に駅と直結した商業ビル「CORAL」などの建物が並び、北口に比べると、都会的な雰囲気。とはいえ、ロータリーの脇には井の頭公園まで続く玉川上水のせせらぎがあり、こちらも自然には事欠きません。
いずれの自治体も行政サービスのレベルは高く、日本経済新聞社が行った「全国優良都市ランキング」では武蔵野市が1位、三鷹市が2位となっています。ただし、三鷹市の市役所は、調布市近くで、駅からは少し離れた場所にあります。
では、気になる住宅の相場はどうなっているか、次ページで見ていきましょう。