住みたい街 首都圏/通勤・買い物に便利な街

楽して通勤できる沿線を探せ!(2ページ目)

国土交通省の調査によると、通勤時の混雑度は沿線にもよるが年々軽減されつつあるとか。とはいえ、路線によっては身動きしづらいこともあり、どうせなら、少しでも楽な沿線を選びたいものです。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

人気沿線、JRを中心に
ちょっと辛い、混雑度200%前後は13路線

小田急線成城学園駅
小田急線では混雑に加えて、通勤時の遅延なども利用者の不満に上がっているとか
180%を越すと、通勤は痛勤だ!と言いたくなります。実際の路線ではJRの各路線、また、小田急線や東急田園都市線など、路線自体が長く、かつ人気路線が上がってきます。長い距離を走る路線はどうしても乗客数が増えますから、当然といえば当然の結果です。180%以上200%未満の路線は以下の14路線です。


・東急田園都市線池尻大橋~渋谷(181%)
・JR京浜東北・根岸線大井町~品川(183%)
・JR横浜線小机~新横浜(184%)
・小田急線世田谷代田~下北沢(186%)
・JR東海道線川崎~品川(186%)
・JR武蔵野線東浦和~南浦和(187%)
・JR高崎線宮原~大宮(191%)
・JR南武線武蔵中原~武蔵小杉(193%)
・JR中央線快速中野~新宿(193%)
・JR京浜東北・根岸線上野~御徒町(194%)
・JR総武快速・横須賀線新川崎~品川(195%)
・JR埼京線板橋~池袋(198%)
・東京メトロ東西線木場~門前仲町(199%)

小田急線下北沢駅
小田急線・京王井の頭線下北沢駅では駅周辺の整備と同時に駅の地下化が予定されている
これらの沿線では利用者が通勤を苦痛に感じる度合いが強く、鉄道会社でも混雑度緩和策を打ち出しています。たとえば、小田急線では世田谷代田から和泉多摩川間での複々線化を進めており、現在は東北沢~世田谷代田間を工事中。同様に東急田園都市線でも大井町線、田園都市線で複々線化などの工事が進行しています。両路線とも運行間隔の短縮などあの手この手で混雑緩和を図ってきたものの、思ったような効果が得られず、最終的な手段として複々線化、都心への複数経路の整備を行っているというのが現実。ただ、工事が完成したとしても、劇的な混雑緩和は難しいかもしれません。

最混雑路線は山手線じゃなかった!
ではワースト1はどの路線?

渋谷駅前
人気のあるエリアは同時に混雑するエリアでも。利便性の魅力の裏には混雑があるというわけだ
さて、最後に200%を越す、最混雑路線をご紹介しましょう。と聞くと、JR山手線?と思う方も多いと思いますが、近年山手線の混雑は緩和傾向にあり、確かに平成16年度から18年度までは216%をワースト1でしたが、現在の山手線外回り上野~御徒町間の混雑度は200%。もちろん、混雑はしますが、以前よりはましという状態になっています。それ以上に混んでいるのは混雑度では悪評(?)のあった中央・総武緩行線錦糸町~両国で201%。平成20年に山手線と並び、以降はワースト1が続いています。


沿線が便利になり、開発が進んだことで混雑が続く埼京線。都内部では乗り換えが不便な駅も

沿線が便利になり、開発が進んだことで混雑が続く埼京線。都内部では乗り換えが不便な駅も

それ以外の路線では基本、緩和傾向が見られており、たとえば、混雑が常態と言われてきた埼京線板橋~池袋(198%)も平成23年にようやく200%を切ることになりました。そんな中で唯一混雑度がアップしているのは総武快速・横須賀線新川崎~品川間で平成21年度の181%から12%増。これは駅周辺の再開発の結果、人口が増えたせい。再開発で街がきれいになるのはうれしいものの、通勤が辛くなるのは困ったところ。難しいところです。

以上、各沿線を見てみると、新宿や渋谷、東京などのオフィス街直結の人気沿線で、沿線が長いほど混雑度が高いこと、ターミナル直前あるいは主要乗り換え駅直前でもっとも混むことなどが分かります。そのため、少しでも楽して通勤するためには、混雑度の低い沿線を選ぶことに加え、混雑区間をいかに外すかがポイントに。混雑する都心近くの駅よりも、座れる可能性が高い郊外のほうが楽という可能性もあります。

また、改札が先頭車両近くにある沿線では先頭車両が混む、途中で他線への乗り換えがある路線では乗り換え口に近い車両が混むなど、車両による混雑度の違いを利用すれば、全体としては混雑する路線でも比較的ラクに通勤できることもあります。

さらに最近では複雑に路線の乗り入れが行われているため、遠隔地で起きた事故のために電車が遅れたり、停止したりすることが増えています。週刊東洋経済増刊「鉄道完全解明2014」によれば人身事故、自殺も増加傾向にあるのだとか。ちなみに事故の多い沿線としてはJRでは中央線、京浜東北線、山手線、常磐線、私鉄では東武東上線、小田急線、西武新宿線などが挙げられます。逆に人身事故などが比較的少ないのは郊外の路線と地下鉄各線。特に東京メトロ銀座線は他線との乗入れがなく、かつほとんど外を走らないため、大雪などの影響を受けにくいのが特徴です。正確に出勤することを求められる人なら、こうした要素も考慮したほうが良いかもしれません。

*2007年の記事に2010年、2015年と加筆修正。

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