モノの価値、資産価値は
希少性と欲しい人の数で決まる

骨董店の店先
骨董品の価格はあってないようなもの。ブームになれば高くなり、人気が落ちれば安くなる
モノの価値は希少性で決まります。他にない、誰も持っていない、そして欲しがる人が多い、これが価値が高いとされるモノです。大量に生産される茶碗には値段通りの価値しかありませんが、200年前の名工が手がけた茶碗は値段などあってないようなもの。欲しい人がいる限り、いくらにでもなります。

蕎麦猪口
骨董ブームで価格が高騰した品のひとつ、蕎麦猪口。10年前に比べ数倍以上とも
価値の源=希少性を考える時に分かりやすいのは骨董品です。テレビ番組で鑑定士が茶碗の価値を鑑定する際、指摘するのはその品がいつ、どこで作られた、どのような状態のものであるかということに加え、現存する数や市場で取引される価格です。現存する数は少なければ少ないほど、購入したい人が多いほど、価値=価格は高くなります。骨董品に限らず、いわゆる限定品に人気が集まり、高値で売れるのも同じシステムです。

東華菜館
歴史的価値があり、かつ使われ続けている建物は全国でもそれほど多くはない
ただ、不動産と骨董品には大きく異なる点があります。それは時間。骨董品の場合、古ければ古いほど数が少なくなり、希少性も高くなります。専門的には時代がつくというそうですが、古いものが珍重されるわけです。ところが住宅の場合、例外もないわけではありませんが、一般的には住宅として使われている建物の多くは古くなればなるほど価値が落ちます。そこで、分かるのは不動産の価値は上モノではなく、立地にあるということ。どこに立地しているか、どの街を買うかが、資産価値の高い家を買うためのポイントというわけです。

城南5山の住宅街
江戸時代から続くお屋敷街ではそこに立地することに大きな意味がある
ここでひとつ、思い出すことがあります。マンションの供給数、流通などに詳しいデータを持っている会社で東京都心近くのお屋敷街、城南五山にある中古マンションの価格を見せていただいたときのことです。出てきたマンション数は5~6件だったでしょうか。その中に、手頃な価格が売りの、とある不動産会社の物件がありました。「普通だったら、ここの会社のマンションの坪単価がこんなに高いはずはない。でもこれだけの価格が付いているのは、立地が良かったからだな」、担当者はそう呟きました。建物はたいしたことはないけれど立地がいいから高値で売買されている、そういう意味です。これを思い出すと、資産価値は立地にこそあるとつくづく思うのです。

次のページでは不動産の場合の希少性についてみていきましょう。