徳川将軍も通った歴史ある街は
阿波踊りで全国区に
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地名の元となった高円寺。少し離れたところには高円寺寺町と呼ばれる寺院の多い一画も |
新宿から中央線快速で2駅、10分弱、高円寺はこの地にある弘治元年(1555年)に建てられた寺、高円寺から名づけられた街。元々は小沢村と言われていたそうですが、徳川家の三代将軍家光がしばしば参詣したことから、寺名が地名になったのだとか。高円寺はその後、戦災も含め度々消失しているため、今の高円寺には往時の面影はありませんが、それだけ古い街であったことだけは確かです。実際、高円寺以外にも寺社は多く、四季の花が楽しめる場所になっています。
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駅の上にはホテルも併設するJR中央線高円寺駅 |
その高円寺に駅が出来たのは明治22年の中央線開通に遅れること30余年後の大正11年。大正年間に入って中野~荻窪間に新駅が設置されることが決まり、隣の阿佐ヶ谷村と大誘致合戦が繰り広げられたのだとか。結局2駅とも設置されたわけですが、当初提示された駅名は東阿佐ヶ谷。当然ながら高円寺村では村を挙げて大反対をし、最終的に高円寺駅と決まったそうですが、その頃から高円寺と阿佐ヶ谷の間にはライバル意識があったのかもしれません。
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高円寺阿波踊りは8月末に行われ、駅周辺は大変な賑わいになる。間違っても車で行ってはいけない |
現在、高円寺名物阿波踊りは東京を代表する夏祭りのひとつとなっていますが、これ、元々はお隣の阿佐ヶ谷で昭和29年に始まった七夕祭りに対抗して昭和32年に始まったもの。阿佐ヶ谷の商店街より道の狭い高円寺でもできるものをという発想から、阿波踊りになったといわれています。そして、当初は佐渡おけさに合わせて踊っていたとも。現在は120万人を超す観客が集まるほどの一大イベントになり、高円寺の名を全国区にした要因のひとつとなっています。
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