住みやすさの要因のひとつは
大小合わせて20近い商店街

高円寺純情商店街
ロータリーから一際目立つ商店街入り口の看板。しかし規模としてはあまり大きくない。ちなみにねじめ正一さんが経営する民芸品店はお隣阿佐ヶ谷にある
もうひとつ、高円寺を有名にしたものが詩人、小説家であるねじめ正一さんの小説「高円寺純情商店街」。これは1989年に第101回直木賞を受賞した作品で、ご実家の乾物屋さんと商店街との話が中心となっています。この舞台となったのが現在、高円寺純情商店街を名乗る、駅北口にある商店街ですが、高円寺はこれ以外にも大小合わせて20近くの商店街があり、それがこの街を住みやすくしています。

高円寺周辺の概念図

高円寺周辺の地図
高円寺周辺の主な商店街と道路その他の位置関係の概念図。線がだぶるため、東京メトロ丸の内線は省略してある


高円寺パル商店街
平日の昼間というのにこれだけの人出。高円寺の商店街はいつも賑やかだ
まず、南口にあるのが高円寺ルック商店街。これは青梅街道から高円寺駅に向かう通りで古着屋さんやブティックなど衣類を扱う店が多いのが特徴です。同じ道沿いの商店街ながら、旧桃園川緑道を渡ると今度は高円寺パル商店街。ここからはアーケードがあり、高円寺阿波踊りのメイン会場ともなる場所。飲食店、服飾雑貨に金物屋さん、呉服屋さんなど幅広い業種が揃っています。またパル商店街の両側には飲食店、古着屋さんが多く、エトワール通り商店街のような小規模な商店街もあります。

高円寺庚申通り商店街
細いレンガ敷きの通り沿いに店が並ぶ庚申通り商店街。昔ながらの店に混じってリサイクル家電や輸入雑貨の店など住んでいる人に合わせた新しい店も
北口には前述の高円寺純情商店街、そこからつながる庚申通り商店街があり、こちらも多彩な業種が軒を連ねています。南口、北口とも高円寺の商店街に共通するのは大規模店舗やコンビニ、チェーン店が少ないことで、商店街の中心は個人商店。地元の人たちががんばっているというわけです。

中通り商店街
飲食店が大半という中通り商店街。風俗営業は駅近くに集中している
異色なのは庚申通り商店街と一部接している中通り商店街。ここは飲食店が中心で中には日本の沖縄料理店の草分けといわれるような店も。駅近くにはネオンがちかちかする風俗店もあります。ここだけでなく、JRの高架下あるいは線路沿いにも阿佐ヶ谷方面に向かって飲食店が続いています。また、駅のロータリーから少し離れ、早稲田通りまで約400m続くあづま通り商店街は住宅と商店が混在するのんびりした雰囲気が特徴。とはいえ、今風のセンスのいいカフェなどもあり、使い勝手は良さそうです。

古着屋、安い定食屋、喫茶店に古書店……、
高円寺に多いものは?

セール中の雑貨店
衣類やアクセサリー、靴などの価格は驚くほど。といって安かろう、悪かろうではなく、こだわりの品が多いのが高円寺らしい
こうした商店街を歩いていて目につくものを挙げてみましょう。まず、古着屋さんも含めた衣料品や服飾雑貨の店です。しかも、安いのに今っぽいのが特徴。お金はないけれどおしゃれをしたい人にはなんともウレシイ街です。

安い定食屋さん
駅周辺を除けばチェーン系の定食屋さんは少なく、大半は個人店。しかし、安い、安すぎる……
続いて挙げたいのが安い定食屋さん。500円ちょっとで食べられる定食屋さんやラーメン屋さんなども多く、しかも、古くから学生、単身者が多いせいでしょう、ボリュームも満点。全品280円を掲げるような居酒屋さんもあり、外食続きでも懐にやさしい街といえそうです。

七つ森
雰囲気のある外観で有名な喫茶店七つ森。カレーも名物だ
喫茶店も目につきました。最近ではチェーンのコーヒーショップしかない街も少なくありませんが、高円寺にはカフェに混じって昔ながらの喫茶店が健在。しかも、お年寄りだけでなく、若い人も利用しています。酒を飲みながらではなく、珈琲を飲みながら語り合う文化が残っているのでしょう。

高架下の古書店
高架下にあった古書店。その他あちこちの商店街の中に点在している
そのほか、古書店、ライブハウス、ショーケース型のレンタルスペース、アジア雑貨店なども目についたところ。どこにでもあるチェーン系の店よりも、個性を売りにする店が多いという印象です。

最後は気になる住宅事情。高いの?安いの?