東西に伸びる谷、その両側に広がる台地
地形を理解すると代々木上原が分かる
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駅北口を出て商店街を抜けたあたりから西原方向にはこのような坂が |
地形と住宅街の区画の広さはリンクします。土地の低い場所には商店街があり、住宅は密集しますが、土地の高いところには区画の大きな住宅、お屋敷が集まります。そうした視点で代々木上原の地形を見てみると小田急線に沿って東西に谷があり、それが商店街になっています。そこから北へは坂を上ることになり、高台は西原のお屋敷街になっています。さらに北に進むと坂を下ることになり、行き着くのは幡ヶ谷。谷、つまり低い場所です。
代々木上原駅と周辺の位置関係
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代々木上原と周辺の位置関係と高低。矢印は高いほうに向かうという意味。東京大学は正式には東京大学駒場リサーチキャンパス。入らないため略してあります |
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現在の上原銀座はかつての駅があった場所にあり、駅改札からはやや離れている。けっこう急な旭坂 |
逆に南側に向かうと代々木上原銀座の坂を上ることになります。この坂はこの付近では最も早く朝日を受ける地形だったことから旭坂と言われていますが、けっこう傾斜のある坂です。上りきるとすぐが井の頭通りで通りの向かい側は上原、あるいは大山町で、さらに上ると今度は東京大学駒場リサーチキャンパスや駒場公園(かつて前田侯爵邸があった場所です)。古くからお金持ちが住んでいた高台です。
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高台から駅方面を見下ろしたところ。見えにくいが写真正面に見える正の字は駅近くにあるスーパーの看板。その向こうにかすかに六本木ヒルズが見える |
現在の住宅の分布もこの地形に沿ったものになっており、駅周辺の低地、坂の途中には商店街があり、住宅も小規模なものが大半。それに対して坂の上は2台分、3台分の駐車場がある家がざらであるように、大きな区画が大半。一見マンションかと思うような鉄筋コンクリート造の建物が個人宅だったりします。外国人居住者も少なくありません。また、住宅の合間からは代々木上原駅を見下ろせ、その向こうには六本木ヒルズも。このあたりのお屋敷に住めば普通の2階、3階からでタワーマンション並みの眺望が得られるのかもしれません。
商店街の元気が
この街の住みやすさの根源
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上原銀座商店街にある太田屋豆腐店。豆腐のほか、お手ごろ価格の自家製お惣菜も並べられている |
住みやすい街には商店街は必須。その意味では代々木上原の商店街はかなりハイレベルです。今どき珍しく行商もしているお豆腐屋さんやボリューム満点の老舗中華料理屋さん、スーパー、八百屋さんなど、ごく普通の、でも生活に必要な店に加え、シャンパンが売りのバーやフレンチ、イタリアン、器屋さんなどセンスの良い店と幅広い店が揃うのです。腹ペコの学生さんから、凝りまくりのセレブまでを満足させる守備範囲の広さは首都圏でも希少。商店街自体も毎月第三日曜日に朝市を開いたり、PR誌を発行するなど活性化に力を入れており、9月には秋祭りなども開かれます。気取っているだけでも、本音むき出しなだけでもない雰囲気は誰にも好まれるはずです。
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場所柄からか、モノの値段はそれほど安くはない。ランチは800円前後からが多く、1,000円を越すものも。残念ながらワンコインランチは一度も見なかった |
ただし、店があるのは駅周辺のみ。ご存知のように住宅中心の規制の厳しいエリアではコンビニエンスストアは作れません。そして駅から離れたお屋敷街はもちろん、そうしたエリア。自販機すらほとんど見ることがないほどです。
最後に気になる住宅価格。予算別に賃貸、分譲を見ていきます。