大学生の就職活動/就職活動の準備

第二新卒 新しいキャリアプランの考察 1(2ページ目)

景気回復と団塊世代の大量退職により、新卒はもちろん第二新卒も売り手市場。よって将来の転職も視野に入れた、すなわち「今」じゃなく「将来」を見据えた就職活動をしよう。就職留年とフリーターは避けるべし!

執筆者:見舘 好隆

入社3年以内に辞める理由

第二新卒
耐えられないからこそ、辞めた方がいいこともある。しかし、どうせならさらなる高みを目指して転職したい。
第二新卒市場が活況であることはわかった。しかし、活況だからといって、折角苦労して内定を取った企業を辞める必要はないだろう。実際、就職活動中の学生(当時3年生)のうち、「3年以内で辞めるつもり」と答えたのはたったの2.2%である。
(「09年度 日経ナビ・就活モニター調査[2007年11月]」DISCO Human Resource PLAZA

しかし、「七五三問題」と呼ばれるように、中卒の約7割、高卒の約5割、大卒の約3割が3年以内で退職している。正確には、2004年度入社の新卒社員が、中卒69.7%、高卒49.5%、大卒36.6%(短大卒は44.8%)退職しており、七五四問題と呼んでも良いかもしれない(「卒業後の離職率は七五三」厚生労働省職業安定局)。退職した理由は一体何故だろうか。

「若年者の離職理由と職場定着に関する調査」(労働政策研究・研修機構)によると、勤続年数3年以内に退職した理由のトップ3は、

  1. 仕事上のストレスが大きい(29.7%)
  2. 労働時間が長い(24.4%)
  3. 職場の人間関係がつらい(22.2%)

であった。勤続年数3年以上と比べて割合が高かったのは、

  1. 採用条件と職場の実態が違った
  2. 労働時間が長い
  3. 経営者や経営理念に合わない
  4. 職場の人間関係がつらい
  5. 仕事が面白くない
  6. 仕事上のストレスが大きい

であった(逆に勤続年数3年以上の方が割合が高かったのは、「結婚、出産・育児のため」「仕事と家庭を両立できない」「キャリアアップするため」)。

また、「若年者キャリア支援研究会報告書」(厚生労働省職業能力開発局)によると、入社1年以内および3年を超えてから離職した正社員の離職理由を以下にまとめている。
離職理由

この二つの調査から見えることは、

  1. 早期に退職する理由・・・少々ネガティブな理由
    「仕事のミスマッチ」「コミュニケーション力の不足」など
  2. 3年以上働いてから、退職する理由・・・ポジティブな理由
    「自らのキャリア形成のため」「家庭との両立」など

であることがわかる。すなわち、3年以内に辞める人は、「仕事上のストレス」「人間関係」「思っていた仕事と違う」「仕事が面白くない」など、少々ネガティブな理由で退職している。逆に3年の山を越えると、「キャリアアップしたい」「このままでは成長できない」「他にやりたいことができた」など、ポジティブな理由に変化している。言い換えれば、石の上にも3年頑張れば、ネガティブな理由は克服できるとも言える。

もし転職するなら、ネガティブな理由ではしたくない(そもそもネガティブな理由では内定取れないよ)。少なくとも3年は頑張れる会社に入社したい。

ではどうすればいいのか。ここでまず、少なくとも3年は頑張るために必要な会社選びは何か、一緒に考えてみよう。


※次のページで、早期退職を防ぐ会社選びを学ぶ!

※「第二新卒」で受験する際、必ず聴かれる質問は「退職理由」である。これが例えば「ストレス」「残業が多い」「給料が安い」「仕事が合わない」など、ネガティブな理由だと内定はもらえないだろう。なぜならば、同じ理由でまた辞めるかもと思われるからだ。やはり最低3年働いて、「今の会社で学んだことを、御社で活かしてみたい」など、あくまでもポジティブに話すことが大切だ。

※記事「三年で会社を辞めたら損ですよ!」もあわせて読んでね!
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