今回のテーマはコンサルタントのやりがいやつらいところ、仕事の目標などについてお話を伺いたいと思います。
森正弥(もりまさや)さん
アクセンチュア株式会社
グローバルテクノロジーコンサルティング
マネジャー
コンサルタントの「やりがい」とは?
--今回もよく学生などから聞かれる質問なのですが、コンサルタントのやりがいというのはどういうところにあるのでしょうか?そうですね。やっぱり、最後はお客様に喜んでいただくということに尽きると思います。
お客様の現場の方がよく持っているフラストレーションに、こういうものがあります。縦割りというのともちょっと違うのですが、問題点を解決しようにも、自分たちに与えられた役割や権限のなかではなかなか思うようにいかない、というものです。
問題点はわかっているのですが、それを解決しようとするとあちらの部署もこちらの部署にもあれもこれもしてもらわないといけない。自分たちの部署の範囲では解決できずに、フラストレーションがたまっていくといいますか……。
このような問題は、全社的な視点から物を見て最適化していくことで解決するのですが、そのための調整や旗振り役をコンサルタントが受け持ちます。そうすることで、全体としてハッピーになれる。
お客様からは、ちょっと表現がおかしいですけれども「やっと長年の宿便がでた」なんていわれます。私たちの仕事というのは、そういう害を消すこともできるんだなと。「これですっきりしました」といわれるとき、やっぱりコンサルタントをやっていてよかったなと思います。コンサルタントの存在理由を見出せる瞬間です。
コンサルタントのつらいことは?
--逆につらいところというのはなんでしょうか?つらいことですか。個々の細かいつらさはもちろんいろいろあります。ですが、あまりつらいことは考えないようにしています。こんな例えはどうでしょう。たとえばテニスをやっている人がいるとします。テニスの練習自体はたしかにつらい。でも、そのおかげで、試合に勝てたら、すごくうれしいですよね。それと同じで、日々のつらさはあるけれども、結局プロジェクトが成功することにつながれば、広い目でみたら、つらさというのはあまりないということもいえるかも知れません。
また、コンサルティング会社というのは、無用のフラストレーションがないので、その分楽だといえます。フラストレーションというのは、理不尽なことといいましょうか。組織にしても、個々のコンサルタントにしてもすごく合理的で、論理的に話せば通じるし、論理的でないことは、「それはおかしいから、じゃあ変えよう」ということになる。
あまり、しがらみとか、政治みたいなものに振りまわされることもなく、組織の論理的な狭間でもがいたりということもない。その点が、コンサルティング会社がとても居心地がいいと思う点ですね。
森マネージャーの仕事と人生の目標とは?
--森さんの目標はなんでしょうか?まずは仕事の目標から自分自身がここずっと取り組んできているインフラストラクチャー領域のIT戦略で、業界でのリード役がつとまるようになるというのが第一の目標です。
インフラストラクチャー領域のIT戦略は、ここ数年、マーケットとしても認知されてきて、各ITベンダーなども力を入れてきている領域です。この領域で、アクセンチュアのサービスを一大勢力に育てあげていきたいと思っています。
--個人的な目標はどうでしょうか?森さんの人生の目標はなんでしょうか?
そうですね、究極の人生の目標ということだと、「悟ること」。「悟りを開くこと」です。悟るというと、ちょっと怪しく聞こえてしまいますが、結局私が思うには、幸せとか充実感というのは、「ありのままの自分自身であること」だと思うんです。
自分がどういう人間であるかを知って、自分でできることをやり、自分でできないことはありのままに受け入れ、いいところも悪いところもひっくるめて、受け入れることができれば、それがありのままの自分自身ということです。それがつまりは悟るということなんですね。そういう境地に早く達したいです(笑)
後は、大学時代から個人的に小説を書いています。特に賞などには投稿したりしてなかったのですが、本格的に作品を纏め上げていくこともやっていきたいと思います。芥川賞をとりたいです(笑)
--ありがとうございました。なかなか含蓄のあるお言葉でした。長い間ありがとうございました。
アクセンチュア森マネジャーのインタビューいかがでしたでしょうか。コンサルタントの仕事ぶりから、個人的なことまで、大変面白くお話を伺うことができました。
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