--人事制度設計以外--たとえば従業員意識調査というのはどういうものですか?
例えば、合併が終わったあと一定期間を経て、社員の意識を調査します。合併がうまくいっているかどうか人や組織の点から課題を抽出して、クライアントが議論を深めることを促進したり、改善のためのアクションプランをご提案したりするというものです。
もともと別個に存在した会社が1つになるわけですから、どうしても出身会社による意識格差みたいなものが出てきます。
たとえば、会社の方向性に対する理解度であったり、社員のモチベーションであったり、評価に対する納得感などといった面で、意識格差が見られることがあります。さらには、仕事の進め方やスタイルなど。たとえばどういう時に上司に報告・相談するか、メールのCCはどの範囲まで入れるかといったものが出身会社によって微妙にズレていたりしまして、実はそういうところが意外に大きなストレスにつながってくることが多いのです。
そのような一見すると小さなストレスが積み重なって「なんだA社出身のやつは……」「B者出身者は、どうしてこうなんだろう……」ということになってしまいます。
意識調査は、その名の通り社員の意識の調査ですので、社員が思っていることや感じていることが真実を表しているとは限りません。しかし、社員がそのように捉えているという認識上の事実を把握することは非常に重要なことで、意識調査は合併前後の企業における課題を抽出する上で有効なツールだと思っています。