イスタンブール/イスタンブール基本情報

イスタンブールの治安(2ページ目)

トルコ最大の観光都市、イスタンブールには、観光客狙いの軽犯罪が多く起きています。一体どんな種類の犯罪が多いのか、対策は?……などなど、旅行前に知っておくべき治安情報をお伝えします。

執筆者:安尾 亜紀

観光客への犯罪4 ニセ警察官強盗

観光中の旅行者に対してニセ警察官が「身分証明書を見せてください」と言い、「現在偽造紙幣取り締まりを行っていますので、財布を見せて頂けますか」とか「本人確認のためにカードの暗証番号を言ってください」といった方法で暗証番号を聞き出し、その後本人が全く気付かないうちに財布からカードや現金が抜き取る、という事件が起きています。

パトカー

いざとなったら、この車に助けを求めて

実際、トルコでは国民が皆IDカードを携帯する義務があります。外国人でも時々警察官に「パスポートを見せてください」と聞かれる場合がありますが、警察官が観光客の所持品や財布の中身をチェックすることはありません。そう言われた場合には「警察官のIDカードを見せてください」と逆に切り返し、所持品を見たいなら警察署に行こう、というのが一番いいでしょう。決して他人にカバンや財布の中身を見せないことが重要です。

 

観光客への犯罪5 絨毯詐欺

エルズルム絨毯

美しい織物だけに高価なものが多く、詐欺の関わる人の数も多く、手口も巧妙!

特にイスタンブールのスルタンアフメット地区で多く見られるのが、この絨毯詐欺。最近では取り締まりが厳しくなり減ってきたものの、この地区には昔から多くの絨毯屋の客引きがおり、あの手この手で旅行者の気を引こうと話しかけてきます。

パターンとしては、「自分には日本人の友達がいる」「日本語を勉強しているので、日本人の友達が欲しい」「観光地を案内してあげる」「自分は美術学科の学生で、絨毯やタイルの文様について学んでいる。働いているアトリエに来て私の作品を見てくれないか」などと言って声をかけてきます。いかにも純粋無垢な理由が多いため、断るのがためらわれるのですが、そこが彼らの狙い。これを断ると「私のこんな純粋・親切な気持ちをどうして踏みにじるのか」などと言いがかりをつけて来て、こちらの罪悪感を誘ってきます。

 

客引き

特徴は、とてもしつこい事、うまく行かないと逆切れする事(©haber7)

基本的に、日本人はこの罪悪感に耐えられず「じゃあ、見るだけで済むなら」と彼らについて行くパターンが多いのですが、これこそ彼らの思うつぼです。そういった罪悪感をさっぱり捨てて、話しかけられても無視するのが一番でしょう。

ここで彼らについて行ってしまうと、最終的にはそれほど価値のない絨毯やキリムを法外に高い価格で売りつけられたり、中には何か買わない限りお店の外に出してもらえないような雰囲気に囲まれてしまう場合があります。また、女性の場合にはここで性的被害を受けたという報告も出されていますから、まず彼らについていかない、店には入らない、というのが絶対的なルールだと思っておきましょう。

絨毯詐欺に関する詳細記事はこちら>>>トルコ観光地の絨毯トラブル

 

観光客への犯罪6 カード詐欺

ATM

いつカードを盗まれたのかも気づかないほど手口が巧妙

実際、ガイドの周囲でもよく聞く被害がこのカード詐欺。トルコのキャッシュディスペンサーは使い方が難しく、あまり機能的ではありません。時には故障してカードを飲みこんだまま出てこなくなってしまったり、引き出す額よりも少ない現金しか出てこなかったりと問題が多いのは確か。このため、そういう事情を悪用したカード詐欺も横行しているのです。

手口としては、キャッシュディスペンサーの使い方が分からずまごついている観光客に使い方を教える振りして暗証番号を盗み見、最終的にはカードも盗んで限度額いっぱいまで現金を引き出されるという方法。たいてい二人一組で、旅行者がそのうちの一人と話しているうちにもう一人が実行しているようです。

一番の対策は、旅行中キャッシュディスペンサーを使わなくて済むように準備していくこと、又はお金を引き出したい時には銀行の窓口で手続きを踏む、などです。やむを得ず機械を使ってお金を引き出す時には、周囲の人に気をつけることが重要です。

 

観光客への犯罪7 偽札

最近増えているのが偽札事件。主に観光地で待機しているタクシー運転手につかまされることが多いようです。外国人観光客から見ると、見慣れないトルコのお札が本物か偽物か、などなかなか見分けられないのが現状です。偽札をつかまされないためには、まずタキシムやエミノニュ、スルタンアフメットといった観光地からタクシーに乗らなず、このエリアではできる限り公共交通機関を使う、常に細かいお金を持っておき、お釣りをもらわないようにする、などの対策を取っておくことが大切です。

年越しカウントダウン時のタキシム・ニシャンタシュ

タキシムカウントダウンイベント

毎年恒例イベントだけど、年々被害が大きくなっています

イスタンブールのタキシム・ニシャンタシュ地区では、毎年年越しのカウントダウンのイベントが催されています。タキシム広場には大きな舞台が設置され、ニシャンタシュには巨大なスピーカーが設置され、多くの人が年越しを祝うために集まるのですが、ここ数年はスリと痴漢が横行していると問題に。人の多さはまさに日本のラッシュアワー並みで、被害にあってもなすすべがないのが実情。かなり高い確率で被害が多発していてあまり安全なイベントとは言えません。参加するにはそれなりの格好と準備をして行ってください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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